Thank you my girl -epilogue-
僕とファリアが初めて結ばれてから5日間、毎日あの邸で愛し合っていた。
僕は…知らなかった。
運命の女神が僕たちに嫉妬していたと…
初めての日から1週間後、彼女は家族と揃って宇宙へ―
家族旅行でガニメデ星へと出掛けた。
彼女の乗った宇宙客船が沈んだと父から告げられる。
「ウソだ!!信じない!! ウソだッ!!」
「あの娘が緊急脱出カプセルに乗り込んだ事はわかっている…
しかし見つからなかった…」
父と弟は生存。母は死亡が確認された。
彼女は…カプセルごと行方不明。
「ファリアは死んでない!! 絶対に生きてる!!」
そう叫ぶようになったのは事件から4日後の夜。
―――夢の中でひとり泣いていた。
___僕に助けを求めていた。
『ファリア… ファリア… 何処にいるんだ…?』
『 星』
『…え?』
___手を伸ばせば届きそうなのに届かない
___もどかしくてひとり 焦る…
「…はッ!?」
僕はベッドで目が覚めた。
「夢…? でも…リアルだった…
ファリアはきっと… 何処かで生きてる。
何処かで泣いてる?!
万が一、死んでいるのなら魂だけでも僕の元に帰ってくるはず…
だとすると… 」
僕は真っ暗な部屋の中で手を伸ばす。
「何処に… 何処にいる…?!」
僕は不思議と彼女が生きていると確信した。
けれど父や友人たちは信じてくれない。
信じてくれたのは… 生還した彼女の父・アーサー=パーシヴァル伯爵その人。
「私も…娘は死んでないと思っている…」
僕は失いたくない… この恋を愛を想いすべてを…
僕のこの手は腕は君のぬくもりも吐息も髪の手触りも憶えてる。
彼女が僕の名を呼ぶ時の甘さも、
中に入ったときのやわらかなあたたかさも、
白い肌のすべらかさも、
僕を見つめ返してくれるサファイアの美しい瞳も、
何もかも僕のもの…
僕の恋人…
僕の…女。
胸を焦がす想いもときめきもすべて君のものなんだ――――
この恋を過去にしたくない…
だから君を探しに行く。
待っていてくれ… ファリア…
Fin
to -5-
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(2005/8/18)
*あとがき*
なんとか終了…と言いたいところですが
まだ続く…
いつまでこの二人、激しい恋を披露してくれるんでしょう…
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