metamorphose -4-




警備員の手で救護室に運ばれた乙女。。。
連れの男の子であった彼に尋ねる救護室の人間。

「この人は君のお姉さん?」

「…いいえ。」

「じゃ、なんだい?」

「…恋人。」

「「「は??」」」

その場にいた全員が声をひっくり返すほど驚く。

まだ小学生に見える少年とハイティーンの乙女を見て
その単語に違和感を覚えた。



ベッドの上の乙女が意識を取り戻した。

「あ…」

「気がついた? ごめんな。
僕がふがいなくて…こんな子供で。」

「あなたこそ怪我はない?
身体、大丈夫?」

「あぁ…」


少年と乙女の間に流れる雰囲気を感じて
さっきの言葉にやっと納得できた。


「な、ホテルに帰ろう。」

「そうね。 お世話になりました。」


彼女は救護室のベッドから起き上がって、
彼の手を握って出て行く。



ふたりは遊園地を後にした。

帰りのモノレールの中、寄り添うふたり…




夕食は彼の提案でルームサービス。
彼女の頬が腫れていたので 申し訳なく思っていた。


   (僕がせめて… 15,6歳くらいなら… あんなやつら 倒せたのに…
    こんな7歳の身体じゃ、ファリアすら守れない…
    僕が逆に守られてる… )


彼は自分自身をもどかしく感じていた―





   *


夕食を済ませ、入浴も済ませると 彼女は早めにベッドに入った。

「ファリア… 大丈夫か? 」

「えぇ… 平気よ。
ね… リチャード。」

「ん?」

「そんなに気を使わないで。
私、嬉しいのだから。」

「え?」

「だって幼い頃からあなたに守られてばかりだったわ。
だから私、今はあなたを守る事が出来て嬉しいの…」

そう言われ、切ない瞳を彼は向けていた。
心の内は 情けない思いでいっぱい…


「ねぇ…リチャード、お願いしていい?」

「ん?何?」

「キスして…」

「へ…」

頬を少し染めて彼女はベッドから彼を見上げて告げる。

「だって私達、昨日… 7ヶ月ぶりに逢ったのに キスしてないもの。
ねぇ…」

「それは…僕だって…
でもこんな子供の僕でいいのかい?」

「いいの。
リチャードだもの。」

「ファリア…」

彼はそっとベッドに横たわっている彼女に近づくと
くちびるを寄せる。

「ん…」


確かにくちびるも舌も小さいけれど 彼の味だと感じる。
細い腕が少年の首に廻る。
彼の小さな手も黒髪の中へと入り込み、かき乱す―

お互いを求めて 深くくちづけていた。


「あん…リチャード…」
「ファリア…」

くちびるが離れると艶めいたサファイアの瞳が彼を捉える。

胸の奥で感じた熱い想い… それはお互いを求める心―



恥ずかしげに乙女は告げる。

「リチャード、お願い。抱いて…」

「え? でも… 僕、最後まで抱いてあげられないよ…」

「いいの。あなたを感じたいから…
あなたに抱きしめて欲しいの…」


彼女の懇願に身体も心もカッと一気に熱く昂ぶるのを感じる。

「僕… 僕… 身体は子供だけど…心は…」

「えぇ、解ってるわ…」


小さな少年の手が乙女のネグリジェを奪っていく。


「あん…」

今までは手に納まる乳房が手に余る。
硬くなりだした尖りを吸い立てると甘い吐息が彼女のくちびるから零れる。

今までと違う… 小さな手とくちびると舌に翻弄され 乙女は乱れる―







挿入こそ無いものの、彼の手で何度も絶頂へと導かれていく―




悔しくて切なくて流した少年の涙が乙女の胸に落ちていく。
頬を染め、気絶してしまった乙女の白い胸の谷間に顔を埋める少年―


   (僕は… 今の僕では本当の悦びをあげられない…!!
    ごめんよ… 君を愛してるのに、愛したいのに… )


やわらかな胸に身を預け、瞳を閉じる…







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(2006/3/3)

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