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#2 bliss
初めて彼… ビルに出会ったときはなんて人だろうと思った。
強引でわがままで自分勝手…… そして自信過剰。
どう見ても私より年下で…
でも彼は私とテンガロ村を助けてくれた。命賭けて。
侵略者デスキュラから…
そして村を去る時に私の唇と心を奪っていったあの人…
ビルとの出会いのあと、村はデスキュラに破壊されたために再建することになった。
そのために村人の多くは忙しくなる。
教会兼学校は一応無事だったけれど、
子供たちの多くは親の手伝いなどで学校にこれなくなっってしまった。
私は自分に出来ることはないかと考えてみる…
そして私は神父様の薦めもあって、
セントラルシティの大学で改めて教師の勉強を受けることになる。
けれど激化するデスキュラとの戦争の中で落ち着いて学ぶことが困難になってゆく。
そんな中、私はガニメデ政府の奨学金を得て地球の学校で学べることに。
1年間という期限付きで。
その手続きを終えて、休暇で滞在していたマルスシティで彼…
ビルと再会した。
また会えるなんて思わなかった。
相変わらず強引な人。
でも私の中で彼の存在が大きくなってゆく…
地球に着いた直後、突然デスキュラとの戦争が終結に向かうこととなる。
向こうから和平交渉が出たというけど、
ビルは信じないと叫んでいた。
地球の彼の故郷で二人で過ごす…
私は気付けば彼の腕の中にいる…
不思議と心地いい…
私は彼に翻弄されっぱなしだわ。
そんな中、彼の両親のことを耳にした。
ご両親は宇宙旅行の途中、デスキュラに襲われ亡くなったという…
喜ぶ両親を見たくて彼がプレゼントした旅行でこんなに辛い目にあったなんて
普段の彼からは想像もつかない。
私には彼の苦悩が想像できない。
きっと後悔と戦っていたのだ思うと胸が痛む。
きっと彼は苦しかったのね。
淋しかったのね。
ずっと後悔と自責の念に囚われていたのだわ。
私が彼をその苦しみから助けてあげたいと思うのは傲慢だろうか……?
4つも年上で素直でない私だけど、彼は素直に求めてくれる。
それだけで嬉しい。
だからずっとビルのそばにいると私は誓うわ。
浮気だけはしないでね。
だけどビルったら私が横にいるのに街を歩いてると
つい可愛い女の子に目が行くのよね。
まったく…私の気持ち、理解してるの??
あのプロポーズの言葉は何だったの?
私はそばにいながら不安になる。
やっぱり若い女の子がいいのかしら………
**************
そんなある日。
デスキュラが火星を襲ったというニュースが。
彼は目の色を変えていた。
その横で私はさらに不安になる。
「…ジョーン。」
「はい?」
「君は俺の家で待っていてくれ。」
「え…?」
「ここにいれば安全だ。絶対に君を…地球を守るから。待っていてくれ。」
「私… 此処にいてもいいの?」
「何言ってるんだよ。」
思わず不安が顔に出る。
私の様子に気付いたビルはポケットから小さな箱を出してきた。
「これ…受け取ってくれないか?」
私はそっとその箱を受け取る。
「開けてみていい?」
「もちろんさ。」
箱を開けるとそこにはダイアモンドの指輪。
「これ…!」
「その… 婚約指輪ってやつですか?」
照れ臭そうにビルは視線を外す。
「ありがとう。ビル。」
私はその指輪をはめてみる。勿論、左手の薬指に。
サイズはぴったり。
「ジョーン。俺、行って来るよ。」
「えぇ。気をつけて。」
本当は行って欲しくない。
私や地球の人を守りたいから、戦うのだということを私は彼から教わった。
だから待つことしか出来ないけれど…
「あなたが無事に帰ってくることを祈ってるわ。」
「あぁ、絶対平和な世の中にしてやるさ!」
ビルのアローストライカーがあっという間に飛び去ってゆく。
私は彼の残した想いとともに地球の空を見上げていた。
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あとがき(2004/12/19 加筆改稿2016/07/18)
ははは~(笑)初書きです、ビル×ジョーン。
やっぱり年上彼女カップルは女の方が苦悩するんだよね~
けっこう書きやすいかも(汗)このふたり。
#1/#3
Bismark Novel