Unlimited -5- ―夜 10時 少女は少年のいる客間に向かう。 ノックするとパジャマにガウン姿の彼。 「ね、いいかしら?」 「あ、あぁ…。」 ふたりは部屋に入るとソファに腰を下ろす。 「リチャード… ホントに私、今日は楽しかった。 来てくれて本当に嬉しい… ありがとう。」 「僕もだよ。 こんなことならスイスのスキーなんて無視してさっさと来れば良かった。」 「ふふ…そんなに?」 「あぁ。 男子寮ってさ、年頃の男ばかりだからね。 男臭くてちょっと嫌だよ。」 「ま。」 少年はぎゅうと少女を抱きしめ、黒髪に顔を埋めようとする。 「ファリアが…一番いい匂い。いいや…いい香りがするよ…」 「それって…シャンプーの香りじゃ…?」 「それだけじゃないよ。ホントのファリアの香り…」 愛しい少女の香りをすうと嗅ぐと彼女もまた微笑む。 「…私もあなたの香り、好き…」 「え?」 「あの…図書館でふたりでいた時にジャケットをひいて貰った時とか… こうして抱きしめてくれている時とか… なんだか安心するの。リチャードの香りって…」 少年の背に回した手に力を込める。 「そうかい? でも…僕もそうだな。 ファリアのぬくもりと香りで…嬉しくて優しい気持ちになれるよ。」 「だから私達、離れたくないのね…」 「あぁ…」 気づけばふたりはくちびるを重ねていた。 少年のくちびるが少女の下くちびるを甘く咬む。 「ん…」 少年の動きになすがままの少女。 くちづけは次第に激しさを増し、舌と舌が求め合い絡み合う。 「ん…ッ…」 (やっぱり、父上との約束、守れそうにないや…) 少年はゆっくりとくちびるを離すと、少女を抱き上げる。 「あ…。」 「ごめん。ファリア。 やっぱり我慢できそうにないよ。」 「…えぇ…私も…」 頬を染めて少女は彼の首に腕を回し抱きつく。 すでにキスだけで女の子自身がトロけてきているのが自分でも解っていた。 「私も… 止められないわ…」 ベッドに運び、降ろされると少女は自分でナイトガウンを脱ぎ、 サックスブルーのネグリジェのフロントリボンを解いていく。 はらりと肌蹴ると肩から胸元が零れ出す。 するりと身から自分で脱いでいくと可憐なショーツ一枚だけの姿。 「…リチャード…」 彼もパジャマの下だけの姿に… ゆっくりと少女に近づき、耳元に囁く。 「愛してる…」 「私も…愛してるわ。」 ベッドの上でふたりはお互いの肌のぬくもりを求め合う。 二ヵ月半ぶりの熱い抱擁。 素肌の感触が心地いい。 「あ…ん…リチャード…」 久々に触れる愛しい少女のやわらかなふくらみ。 男子寮の生活の中で、夢にまで見たぬくもり。 優しく丁寧に愛撫を重ねていく― (少し… 胸、大きくなった…?) 可愛いピンクの尖りを指先で触れるだけで、 甘く切ない喘ぎ声が上がる。 「ぁあん…」 少年にとっても少女にとっても、久しぶりなだけに新鮮な気がした。 耳元にくちびるを近づけて尋ねる。 「ね、 胸、大きくなってない?」 「えっ!?」 かぁああっと一気に頬を染める。 「え? 何で解ったの?」 「解る…よ。」 「そ、そう…」 「…恥ずかしいことかい?」 「恥ずかしくはないけど… ちょっと…」 腕の中で身をよじりながらテレる様はたまらなく扇情的に映る。 「ちょっと…何?」 「あなたに触れられて…解っちゃったっていうのが…」 「はは…」 屈託なく笑う少年は幼い頃と変わらない気がした。 (こんなリチャードも好き…) 少女の手はそっと少年の手に触れ、指を絡める。 「…ファリア?」 「リチャードの手も大きくなってる…」 「あ、うん…」 少女のやさしい笑顔を見て少年も嬉しくなる。 お互いの優しさが、ぬくもりがとても愛しい。 ふたりとも穏やかな想いに包まれていた。 少女の指先が少年の頬に触れた。 そっと形のいいくちびるをなぞる。 「……リチャード…」 「ん?」 「離れていても…忘れられないくらい、抱きしめて…」 「あぁ…僕も、君を感じたい…」 少女が瞳を閉じると合図の様に吐息を重ね、くちびるを重ねた。 「ん…」 少年の胸板がやわらかな少女の胸を押しつぶすくらい密着している。 彼の手は長い黒髪をかき乱す。 舌が舌を絡めとリ、ふたりの唾液が混ざり合う。 少女のくちびるの端から零れ落ちるくらい。 華奢な腕は少年の首に廻っていた。 視線がぶつかり合うと、お互い潤んだ熱い瞳。 少年は少し身を起こし、白い首筋にくちびるを落とす。 「ぁ…あぁ…ん…」 くちびると舌先が白い肌を滑り落ちていく。 首すじ、鎖骨、白い胸の谷間…可愛いおへそを辿り、更に下へと… 少年の手がそっと白い太ももを撫で、ひざ下に手を入れると びくりと震えた少女の身体。 「あ…ぁあ…ッ…」 切なげなでも艶めいた悲鳴。 少年がそっと白い太ももの間に顔を埋める。 甘い淫らな香りが鼻腔をくすぐる。 それは彼の男性自身にも力を与えていた。 「ぁ… やん…」 もう何度も見られている、触れられているけど、 やっぱり恥ずかしい少女は身悶えながら、瞳を閉じてこらえていた。 彼の熱い吐息を自分の女の子の部分で感じている。 「やぁ…そんなに見ないで…」 「奇麗だ…」 「やッ…」 見ているだけでとろとろと蜜が溢れ出る可憐なピンクの花― 指先で拡げると中まで見えそうな気がする。 「あッ!! やぁ…!!ダメッ!!」 「凄いよ… こんなに溢れて…」 「ああん、やだ…ぁ…」 少年は舌先で花芽をつつく。 「はぁ…ッツ!!」 全身に電流が流れ、びくびくと痙攣する。 指先はトロけきった蜜壺へ― 激しい粘着質な水音が立つ。 「はぁ… う…あぁぁ…」 少女の思考は完全に止まっている。 内壁を指先で撫で上げられ、快感の波に翻弄されていた。 「あ…あぁ… く…ふッ!!」 瞳の端からは涙が溢れている。 少年は甘く熱い蜜をすすりたてた。 「くぅッ…!! あぁ…はぁあ…ッ!!」 華奢な身体がびくびくと波打ったかと思うと、くったりとしてしまい 呼吸を上げて、呆然としてしまう。 「あ…ファリア…イッちゃった?」 はぁはぁとまだ呼吸も整わず、思考も働いてない。 ただ快感の余波にうっとりとしていた。 長い黒髪はシーツの上に波打っている。 (いつ見ても… 奇麗だ…) そっと額を撫で声を掛ける。 「ファリア…大丈夫?」 「あ。えぇ…」 顔を覗き込んできた彼の頬に指先で触れる少女。 「…可愛いよ。」 「リチャード…お願い。来て…切ないの…」 頬だけでなく首まで赤く染めて少女は告げてきた。 自制したかったけれどやっぱり自分も限界を感じている少年。 「…ちょっと、待って…」 彼は自分のスーツケースを開けて、小さな箱を出してくると中身を取り出す。 小さな袋を手にベッドに戻る。 「…わざわざ??」 「ん、いや…それがさ…笑っちゃうと思うけど…」 「なぁに?」 愛しい少女の顔に疑問が浮かんでるのを見て話し出す。 「スイスに到着した当日、先輩にプレゼントって渡された箱があったんだ。 ゲレンデに出たら、先輩達は女の人に声掛けまくってて… ちっとも滑らなくて… それで聞いたんだ。 『スキーしに来たんじゃないんですか?』って。 『何言ってるんだ?女の子がいてのスキーだろうが!?』って返事。 思わず僕は呆れたね。 それで関りたくなくて離れて滑っていても、 呼び止められて、手伝わされてさ… 付き合いきれないって思って。 ゲレンデを出てホテルに帰る途中に 君のトコに行こうって決めて、 速攻、チェックアウトした。 荷物を片付けてる時に、先輩に渡されたこの箱に気づいて… 開けたら…コレ。」 黙って彼の話を聞いていた少女は噴出す。 「ぷッ。それホント?」 彼の手の中にあるものは…ゴム。 彼本人も苦笑していた。 「あの人たち、ナンパ目的でスイスまで来てるんだよ。 ホントに呆れちゃうよな。」 「でも…今は感謝してるのでしょ?」 「うん。まぁ、結果的に君に逢いに来れた訳だし。」 「ふふ…そうね。」 「ご丁寧に一箱だからな…」 笑い合うベッドの上のふたり。 「心置きなく…抱いてください…」 「あぁ…」 少年がくちびるを重ねると抱きついてくる。 指先がするすると下へ滑り落ちると、 やわらかなうっすらとした茂みを分け入っていく。 まだ、しっとりと濡れそぼったまま― 「ファリア…」 耳元に熱い吐息をかけて呼びかける。 「リチャード…?」 「僕が…欲しい?」 「え。えぇ…」 少し恥らいながらも素直に答えた。 指先が少し蠢くだけで音が立ち、身をよじらせる。 一瞬、身を離し、準備を済ませるとゆっくりと分け入って行く― 「あッ…んんッ…」 久々の彼の熱に身も心も震える。 彼も彼で狭くて窮屈だけど…やわらかな彼女に包まれる悦びに全身が震えた。 「はぁ…ッ…あ…ファリア…」 「あ…ぁ…あん…」 彼の熱を打ち込まれただけで、全身が満たされていく気がした。 「はぁ…リ、チャード…」 「…ファリ、アぁ…」 少年がギュッと抱きしめるとホントに融けあって行く様に感じる。 「あぁ…リチャード…私、私の…」 「そうだよ…僕のファリア…」 ふたりは貪るようにくちびるを重ねる。 (もう…どこまでが私で…どこまでがリチャードか…わかんない…) 彼女の中にいるだけで気持ちよくてしょうがない。 「ファリア…動いていい? 僕、もう…」 こくりとうなずく少女の瞳には涙が溢れている。 ゆっくりとゆっくりと律動を始める。 「はぁ…ん…ッ! リ、チャー、ド…ぉ…んんッ!!」 彼の動きに合わせて嬌声が上がる。 奥を突き上げられるたびに、視界が白く弾けていく。 「あああ…ぁ…も、ダメ…ぇ…」 次第にリズムが上がっていく。 「ファ…リア、僕も…あぁ…くぅ!!」 少年の灼熱が解き放たれるが、ゴムを通してそれを感じる。 「はぁああ…んッ!!」 びくびくと身体をふたりともわななかせ、 思考も何もかも融け合っていく――― * 少女が気づくと少年の腕枕の中。 「あ、目覚めた?」 「え、えぇ…」 彼の指先がやさしく少女の頬を撫でる。 「なぁ…」 「なぁに?」 「いつか…近い将来、僕の、いや…僕たちの子供を生んでくれるの、 楽しみにしてるよ。」 「え!? あ、リチャード…えぇ。」 彼の言葉に一瞬、驚いたが笑顔で答える。 まるでプロポーズの言葉に聞こえた。 「君は何人欲しい?」 「そうね…2人か3人かしら…?」 「そうか…」 「リチャードは?」 「僕は…母上の身体が弱かったから、僕一人だけだった。 だからやっぱり、2人は欲しいな。 ファリアんちみたいに。」 微妙に複雑な思いに駆られる少女。 「そうね…でも、姉と弟って…」 「何だ? 嫌なの?」 「ちょっと…私の場合はね。 弟いじめたくなるの。」 「は?」 「だって、私、小さい頃、アリステアのこと… 嫌いだったんだもの。だからね…」 意外な言葉を聞いて少年は驚いた。 「ホントに? 可愛がっていたように見えたけど…??」 「あの子が赤ん坊の頃から…3歳くらいまでね。 今だから言えるけど。」 「何でまた?」 「だって…あの子が生まれるまでは家の者全員、 私を可愛がってくれてたわ。 けど…私が5歳になってしばらくして生まれたあの子… みんな「アリステア、アリステア。」って。 乳母だけは変わらなかったけど… あの子の哺乳瓶のミルク、捨てちゃったりとかしてたもの。」 「意外なこと、してたんだ、ファリア。」 「いじめるって言っても…今思えば、結構些細なことね。 子供って馬鹿だわ。」 「はは…」 「でもね、ある日、母に見つかったの。」 「何したんだ?」 「えっとね…おやつ取り上げて、犬にあげてたの。」 「へ…?」 「それで、母に叱られたの。 「こんなことしちゃダメよ。リチャード君に嫌われるわよ。」って…」 「僕の名を使われて?」 「えぇ。 「大人になったらリチャード君のお嫁さんになりたいのでしょ?」って聞かれて 「うん。」って言ったの。 そうしたら…「アリステアが生まれたからお嫁にいけるのよ。 妹だったらお嫁にいけないの。 お婿さんとって、パーシヴァル家を継がなければならなかった。 弟が生まれたから、お嫁にいけるのよ。」って、散々言われて。 それで、止めたわ。」 「ホントに!?」 本気の驚きの目を見せる少年。 「そうよ。 おかげさまで…無事にあなたと許婚ってことに…」 「そうか… じゃ僕もアリステアに感謝しなきゃな。」 「え?」 「あの子がいるから、君が僕の花嫁になれるってことだろう。 だからさ。」 「あ。うん、そうね… それじゃ、私は両親に感謝しなきゃ。」 「僕も君も両親に感謝しないとな…」 穏やかに抱き合うふたり。 ふと少女の目に時計が眼に入る。 「あ。もうこんな時間… 部屋に帰るわ。」 「え?あ…」 時刻は深夜1時過ぎ。 「明日、2次試験だもの。 早く寝るわ。おやすみなさい、リチャード。」 「あぁ、そうだな。おやすみ…ファリア。」 「えぇ。また、明日。」 少女は床に落としていたネグリジェを着て、 ナイトガウンを羽織り、部屋を出る。 「あ…」 少年は不意に目に入ったものに釘付けになる。 思わず手に取る。 少し蜜の名残があった。 「わざと…じゃないだろうな? ファリア…」 *** 自分の部屋に戻ってからハタと気づく。 「やだ…ショーツ、忘れてきちゃった。 どうしちゃうかしら… 持ってッちゃう? …それとも捨てる?」 少女は新しいのを身に着けて、ベッドに入る。 さっきの熱い肌を思い出しただけで身体が火照る。 「やだ… 私…」 新しく履いたのに、その奥はまた潤み始めていた。 「もう…」 仕方なくぎゅっと目を閉じて、眠ろうとする。 眠りには落ちたが… 夢の中でまた彼に抱かれていた… to -6- ________________________________________ (2005/10/20) to -4- to Love Sick Menu |