-3- 「hug」
ハンガーに濡れた服をかけ終わった少女。
思わず出た可愛いくしゃみ。
見つめていた少年は我に返った。
「…まだ寒い?」
「…ちょっと。」
「暖炉の前に来たほうがいい。」
「えぇ。」
彼はその暖炉の上に置かれていたワイン棚から1本手に取る。
「…リチャード。それ、開けるの?」
「少しくらいいいだろ?温まるし…」
「…。」
ボトルを開けるがグラスがないのでそのまま口を付ける少年。
「君も少し飲んだ方がいい。」
「…うん。」
間接キスだと思うと少し照れ臭かったが、こくこくと口に流し込む。
ぱちぱちと暖炉の中の炎が燃えていた。
窓の外は激しい雨で窓ガラスを叩いている。
低い音のあとカッと雷鳴が響く。
「きゃぁッ!!」
4年前のあの1件以来、雷の音でさえ怖い少女は少年に抱きつく。
がたがたと震える彼女の背に手を回し、いつものように撫ぜる。
「大丈夫。…僕がいる…」
「…うん。」
遠くなっていく雷鳴。
やっと安心した少女。
薄暗い室内に二人の影が浮かぶ。
少年の手がそっと頬に触れる。
「…リチャード?」
彼の瞳に強い光を感じた。
「…好きだよ…」
丘の時とは違うくちづけに一瞬戸惑うが、彼に委ねた。
ワインの香りのキス…
ずっとずっとレッスンで彼が恋しかった。
学院で声を掛けてくる男たちには一切興味はない。
ただ彼だけが心を占めていた。
その恋しい少年と今、二人きり。
もう何も考えたくなかった…
唇を貪りあっていたが、腰が砕け足に力が入らない少女を
17の少年が彼女を初めて抱き上げた。
想像以上に軽い。
白いシーツのかかったベッドに下ろす。
ふわりと乾きかけの黒髪が広がる。
「…大丈夫?」
「…えぇ。ごめんなさい…」
「あやまらないでくれ…」
もっとキスしたかった もっと彼の熱さを感じたくなって切なさを覚えた少女。
優しいエメラルドの瞳に覗き込まれると細い腕で彼に抱きつく。
彼の薄い胸板に柔らかなふくらみが当たる。
「…あ…」
自分と全く違う…少年は彼女の身体のやわらかさを感じて思わず引き離す。
少年の反応で途端に恥ずかしさを感じて顔を背ける少女。
彼の目に映るのは恋しい彼女の姿。
まだ未成熟とはいえほのかな色気を感じる。
「あ…!!」
自分で自分に驚く少年。
下半身にモロに来た。
知られたくなくて思わずベッドから降りてしまう。
「…リチャード?」
「来ないでくれ…」
「…え?」
困惑している彼を見て戸惑う。
「あ…」
彼を困らせているのが自分のせいだと悟る。
「…私、リチャードなら、怖くない。」
「!!」
少女もベッドから降り背を向けたままの彼に抱きつく。
やわらかな胸を押し付けていた。
「ダメだよ…」
彼は必死に理性と戦っていた。
誰よりも大切に思っているからこそ、傷つけたくないと感じている。
なにより自分の欲望を知られたくなかった。
「私…私…時々、怖いの…」
「!!」
おびえた口調の彼女の言葉で振り返り、肩を掴む。
「何が…怖いんだ?」
「学院で…大人の男の人に囲まれる時があるの。
中には…なんか…変な目で見てる人が…だから、怖いの。
でもあなたなら怖くない。何されてもいい。
お願い…そばにいさせて…」
「…ファリア…」
切実な言葉を聞いて抱きしめる。
先輩の言葉を思い出すリチャード。
優しく問いかける。
「…ファリア。後悔しない?」
「…えぇ。」
「僕は…君が怖がるんじゃないかと…
それにこんな僕を知ったら君に嫌われるんじゃないかって不安なんだ…」
「私…リチャードの事、大好きよ。」
「僕も…大好きだ。ずっと昔から…」
そっと唇を重ねる。
まだ不安を拭いきれない少年はサファイアの瞳を覗く。
「…本当にいいの?」
言葉に出来なくてうなずく少女。
「イヤだって言っても止めないよ。」
「…うん。」
「でも…痛かったら言って。止めるから…」
「うん。」
***
少年は先輩に見せられた映像と読まされた本を思い出そうとするが
すべて真っ白になっていた。
ただ”焦らない””怖がらせたくない”という想いでそっと少女に触れる。
シャツのボタンを外すと露わになる白い肌。
初めて彼の目にさらされていると思うだけで顔を真っ赤にしてそむけている。
少し震えている華奢な身体。
「可愛いよ…ファリア。」
やわらかな まだどちらかというと可愛い乳房に初めて触れる。
まるでプリンのような感触を手のひらに感じる。
「…やん…」
手のひらと指で触れる度、主張を始めた可愛いピンクの突起を唇に含み、
はむはむと優しく吸いたてられる。
「あ…なんか…赤ちゃんみたい…」
呟いた瞬間 舌先でベロリと舐められる。
「はん…」
びくりと震える。
激しく吸いたてられ舐められて身悶える。
彼の唇から熱さと痺れが全身に広がっていく。
「あ…あん…」
いつもより甘く可愛い声を聞いているだけで少年もたまらなくなる。
彼の手がすべらかな腹を下へと滑り降りる。
そっと初めて触れる秘所。
すでに潤み熱い蜜で湿っていた。。
自分でもわからない ただ疼く感覚が少女の中で生まれていた。
「きゃ…あッ…」
彼が撫でるだけで透明な蜜が溢れ出してくる。
「やッ…あぁ…あん…」
(何コレ…何なの… もう何がなんだか…わかんない…)
彼の指先が初めて秘口に滑り込む。
「んッ…!!」
「大丈夫?痛い?」
「ん…少し…」
「そっか…」
彼は身体をずらして白い太ももの間に頭を埋める。
突然のことに驚き、逃げ出したくなる少女。
しかし身体に力が入らない。
「やッ!! ダメぇ…見ないで…ッ!!」
耳まで真っ赤になって顔を手で覆っていた。
「…可愛いよ。」
「やぁッ…!!」
白い太ももに挟まれながら彼の舌先が秘唇を滑る。
激しい刺激に身体が波打つ。
「はんッ!!」
花芯に触れられぞくっときた。
うなじの毛が逆立ち、じっとしていられないような気分。
無意識に出る甘い喘ぎ。
自分でも聞いたことのない声。
初めての感覚で戸惑い、なんとも言えぬ疼きで苦しくなる。
「あぁん、リチャードぉ…ッ!!」
彼の指と舌の動きで強い快感が生まれ駆け抜けていく。
(こんなの…知らない… なんなの… 変よ… 私…)
頭の中が真っ白に弾けていた。
「あッ …あああんッ!!」
びくびくと身体を震わせ一段高い嬌声を上げていた。
彼はその可愛い声でぞくりとした。
「はぁ…はぁ…」
大きく胸を上下させて呼吸している少女に問いかける。
「…ファリア。ひょっとしなくても…イッちゃった?」
「…え?」
まだ朦朧としている彼女に再び問う。
「その…気持ち良かった?」
「う…うん…」
顔を真っ赤にして恥ずかしげに告げる。
少年は嬉しくなっていた。
「そうか…ね、そのままでいて…」
「…うん。」
少年はだぶついているスラックスの前を開ける。
痛いほど反り返り、天を向いている彼の男性。
すでに先走りで先がぬめっていた。
怖がらせたくなくて見せないようにして身を沈める。
「―んッ!!」
先が入ってきただけでも痛い少女は声にならない。
「大丈夫?」
彼にとっても少々辛い。何せお互い初めてだ。
「ん…んッ…少し…」
「じゃ、止めようか?」
自分を心配してくれる彼に嬉しくなるが、今更止めるのはイヤだった。
「ううん…辛くてもいい。止めないで…」
リチャードが彼女の腰を捕らえ何とか進める。
ファリアはその鈍痛と圧迫感と熱を感じて少し苦しい。
最奥に突き当たったことが解る少年。
「はぁ…」
その柔らかい狭さがたまらなく心地いい。
それでも彼女の顔を見て気遣う。
「大丈夫…か?」
「…う、うん…」
少し笑顔がこわばっていた。
口ではそう言っているが辛いのだと解る。
「もう少し我慢して…」
「う、うん…」
ゆっくりとゆっくりと律動を始める。
すぐにでも爆ぜそうな自分を抑えることが出来ない。
「く…はぁ…ファ…リ…あぁ…」
「あ…ッ んん…ッ!!」
彼が汗を滴らせ、唇を重ねる。
それだけで幸福感に包まれている少女。
彼の熱さを身体の一番奥で感じていた。
少年は初めての快楽で止める事など出来なかった―
***
少女が気づくと彼の腕枕の中。初めての事に驚く。
「…大丈夫?」
「…うん。」
少年の薄い胸板に抱きしめられる。
そして自分の身体の異変に気づく。
まだ彼が中にいるような錯覚。
腰の奥に残る鈍い痛み。
リチャードは少し残念そうに呟く。
「雨…上がっちゃったな…」
窓の外は既に夜。空には星が瞬いていた。
窓にはまだ水滴が残っている。
「帰らなきゃ…ね。」
「あぁ。」
ベッドから身を起こす少女は乾いた服と下着を手に取る。
隣の部屋に行き、それらを身に付ける。
少年も身支度をする。
不意にベッドの上を見ると…赤い血の痕。
「あ…」
彼女の処女の証拠。
途端にそれが彼女の愛の証のように思えてシーツを引っぺがし手に取る。
キレイにたたんで脇に抱える。
隣の部屋のドアをノックする。
「もう行けるかい?」
「えぇ。」
彼女より先にキング号に行き、荷物入れにシーツを入れる。
少年は彼女を乗せてローレン城へと疾走する。
ローレン城が見えてきた時、少女は少年の耳元に囁く。
「リチャード…」
「ん?」
「…大好きよ。」
彼に抱きつく腕に力が入る。
「僕も…大好きだよ。」
もう城は目の前―
ローレン城に着くと彼女の両親が飛び出してきた。
「「ファリア!!」」
馬から彼女を下ろす。
少女は両親へと駆け出す。
母親が抱きとめる。
「お母様、お父様。ごめんなさい。心配かけて…」
「雨宿りしてたのね?」
「はい。」
母は娘の髪を撫でていた。
「結構強い雨だったからな…」
父親が呟く。
「申し訳ありませんでした。こんなに遅くなって…」
素直に謝る少年に彼女の両親は怒らなかった。
昼2時に出かけていって、帰ってきたのは夜7時前。
「まあ、豪雨だったからな…仕方ない。ところで何処で雨宿りを?」
「僕の大叔父が使っていた邸で。」
「というと…ああ、あそこな。丘から確かに近いな。」
「リチャード、お疲れさま。ありがとう、いつも娘を守ってくれて…」
「いいえ…」
彼女の母に言われ、少々良心が痛む。
「それじゃ僕、帰ります。
…失礼します。 パーシヴァル公爵、セーラ夫人。
また…ファリア。」
「えぇ。」
リチャードはキング号に跨り疾走していく。
彼もランスロット城に戻ると両親が心配していた。
大叔父の邸で雨宿りしていたことを正直に話す。
例のシーツは彼のクローゼットの奥にしまわれた。
To #4「fate」
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(2005/6/4)
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To Love Sick