favor -2 - 放課後、何とか音楽部のレッスンに出る。 音合わせで演者の生徒が集められ、 顧問のキャンベルの指揮の元で合奏するが、ハープの音はボロボロ。 ひとりだけの為に妙に目立ってしまう。 生徒の中には噂を知っている者もいたので同情の目を向けられる。 「どうした?Missパーシヴァル? 絶不調か?」 「申し訳ありません…」 「演奏会までに何とかしてくれたまえ。」 「はい…」 パート別に分かれてレッスンが始まる。 ファリアはピアノのギルバート=ローレンスと一緒にいた― 夕方になると噂の相手の人数が2人から3人に増えている… *** リチャードはその頃、馬術部の厩で馬にブラシをかけていた。 「よ。ランスロット!! …えらい武勇伝が広まってるな?」 「は?」 突然、ラッセル先輩に声を掛けられた。 「何のことです?」 「何トボケてやがる? 図書館で3年の女子相手に連日キスしてったってもっぱらの噂だ。 しかも3人も。」 「!? 何で知ってるんです?」 「お前… すっげー噂になってるぞ。 昔のパーシヴァル嬢の時も凄かったけど… どしたの…お前?」 リチャードはふと俯く。 (昨日の晩、電話したけど… 少し様子がおかしかった…まさか、知っていたんじゃ…) 顔を上げた途端、ラッセルに告げる。 「すみません。僕、今日は上がります。」 「は?」 さっき来たばかりなのにあわただしく、厩から出て行く。 慌ててロッカールームに行くと制服に着替え、 芸術棟へと走り出す。 音楽部だけではなく声楽部、社交ダンス部、演劇部のレッスン場も抱えている大きな棟。 リチャードは1階のピアノルームにいるだろうとふんでいた。 中にいるのを確認するために窓の外から覗き込む。 「!?」 その中の光景に心臓が止まる。 ファリアが背の高い男子生徒に抱きしめられていたから… * 「大丈夫? Missパーシヴァル?」 「ごめんなさい。…ローレンス先輩。」 「いいよ。例の噂のせいだろ? 僕なら…君を悲しませるようなことはしないのに…」 「先輩…」 3年前、目の前のローレンスに告白されたけど断った。 なのに変わらず優しい男の胸の中で泣いてる。 「泣いていいよ。 …辛い時は泣いた方がいい。」 「…ごめんなさい。」 ファリアは辛くて苦しくて誰かにすがりたかった。 ローレンスの腕の中でぼろぼろと泣き出す。 華奢な少女を抱きしめる大きな手。 その表情は愛しい者を見つめるような優しげな瞳。 リチャードはその様子を窓の外で見ていた。 嫉妬の炎が一気に燃え上がる。 駆け出した彼のエメラルドの瞳には怒りと嫉妬の色が浮かんでいた… ピアノルームのドアを予告もなく開ける。 突然のことに中の二人は驚き振り向き、彼に気づく。 「!?」 「ランスロット君…」 ファリアは心臓が止まるかと思えた。 彼の顔は見たことないほど、怖い顔。 ローレンスまでもが固まっている。 「申し訳ないが… ローレンス先輩。 彼女は僕の許婚です。返してもらいますよ。」 「あ、あぁ…」 彼の気迫に気圧されて少女から身を離す。 「来るんだ。」 彼の口調は低く、怒っているのがすぐに解る。 泣き顔の少女の手を掴んでピアノルームから連れ出す。 彼はハープの置かれている第3レッスン室へ連れて入ると鍵を掛けた。 「リチャード… どうして…??」 彼女の質問に答えない。 「僕は…君の許婚だ。婚約者だ。…他の男に触れさせない。」 「何言ってるの?? リチャード…?? ねぇ…?」 問いかけに答えることなく彼は強引に彼女のくちびるを言葉を奪う。 「!?」 こんなに乱暴なキスをされたことのない少女はパニックになる。 「…!! やめて!! いや!! いやよッ!! こんなリチャード、キライ!!」 肩を胸板を拳で叩かれ、キライと言われカッとなる。 彼の手は無理やり少女のネクタイを外し、 彼女の両手を縛り上げ壁に押し付ける。 「いやぁッ!!」 泣き叫んでもここは音楽レッスン室。 防音設備の整っている窓のない部屋だけに鍵を掛ければ外に漏れない。 彼の手はシャツのボタンを気にすることなく胸元を肌蹴させる。 ボタンが弾け飛んで行った。 「きゃぁあッ!!」 白いデコルテに舌を這わせていく。 抵抗された怒りに満ちた彼の男は猛り狂い、くちびるはただ肌を貪る。 可憐なブラを押し上げ、尖りをいきなり音を立てて吸い立てる。 「いゃぁあ…」 容赦ない攻めにファリアは混乱していた。 「あなたはこんなことする人じゃない… やめてぇ…」 暴れる脚が彼の身体を蹴ってしまうと、更に怒りを露わにした。 彼は強引に脚の間に割って入る。 「やぁ… ッ!! やめて!!」 スカートの中に入り込んだ手はショーツのクロッチ部分に触れる。 潤むこともなければ熱くもなってない。 彼はもどかしくなって、縛り上げた腕を掴んでカーペットの上に押し倒す。 白い内ももにキスしながら舌を這わせる。 「あ… あぁ…いやぁ…ぁ…」 音を立てて赤い痕が散っていく。 「ふッ…く…ぅ…あぁン…」 無理やりされていながらも身体は熱く反応してきた。 悲鳴に甘い色が入っていく。 彼は微笑む。 「ふ… 誰にも渡さない… 僕の…僕のファリア…」 彼は思うままに一気に貫く。 「きゃぁあああっ!!」 潤みきっていない蜜壺に初めて打ち込まれ 破瓜のあまりの痛みに涙と脂汗が身体中に浮かぶ。 「く… ぁ…い、痛…ぃ…ッ」 少女の瞳からはぼろぼろと大粒の雫がとめどなく溢れる。 彼も正直、キツかった。 しかしスライドさせて押し進めていく。 「うッ…うぅ…」 強引に開かれていく身体― 彼は最奥に突き当たると満足げな顔。 「もう…すべて僕のものだ… ファリア…」 彼女は泣きながら苦痛に耐えていた。 その顔が彼を更にぞくぞくと感じさせる。 腰を使い始めると徐々に水音は激しさを増していく… 「あ…ぅ… ファリア…好きだ…好きだ… 誰にも渡さない… 僕だけのものだ!!」 彼女は混乱と痛みの中で彼の叫びを聞いていた。 (リチャード… 私も…私も… 好き… なのに…) 苦しくて声にならない。 彼はラストスパートをかけ激しく打ち付けてくる。 「ファリア… ファリア…ぁ… あぁ… 僕の…僕だけの…」 達しそうになる寸前、引き抜き、 情熱の灼熱は白い太ももに打ち付けられる。 「うあッ!! ファリアぁッ!!」 はぁはぁと荒い呼吸を上げていたが、次第に落ち着いていく。 怒りもおさまった彼は自分のしたことの惨さにやっと気づいた。 彼女が普段使うことの多い第3音楽レッスン室の密室で 制服を乱され、ネクタイで両手を縛り上げられ、涙と汗を滲ませ カーペットの上で意識を失って横たわる姿― 「あ…あぁ…ッ!!」 怒りに任せて愛しい少女に乱暴してしまった重大さに 一気に自責の念に襲われる。 (僕は…僕は… なんてことを!!) 彼女を抱き起こした彼の目には大粒の涙が溢れ出す。 雫が彼女の頬を濡らしていく。 彼は慌てて両手を縛っていたネクタイを解く。 少し青くうっ血していた。 「ファリア… ファリア…ぁ… ごめん!! ごめん!!」 「ん… ん…」 まつげが揺れ、サファイアの瞳が彼を見上げた。 目の前の恋しい婚約者の少年がぐしゃぐしゃの顔で涙を流している。 「…リチャード…?」 「ごめん…ごめん…僕… なんてコトを… 君に婚約破棄されても、嫌われても…仕方ないことを… ごめん…」 確かに身体が重く、脚の奥にある鈍い痛みとまだそこにあるような錯覚を感じた。 「私… あ…」 さっきの出来事が鮮明に蘇ると身体が硬くなる。 「僕、君の事…ファリアの事…好きなのに…愛してるのに…こんなこと… こんな酷い事… ごめん。 なじられても怒られても…当然だ…」 震える手で彼は抱き締める。 「リチャード…私…」 力なく手は彼の背に廻る。 彼の耳元に問いかけた。 「ね…リチャード… 私のこと、好き?」 「あぁ、好きだ。愛してる… ごめん…」 さっきピアノルームに現れた瞬間の彼を思い出す。 −嫉妬の炎で怒っているエメラルドの瞳− 「ねぇ、私のこと、好きだから…抱いたんでしょ?」 「あぁ…でも、抱いたんじゃない。犯したんだ。 …すまない。君の意思も気持ちも聞かずに…考えずに…」 後悔している彼の言葉。 抱きついたまま彼女は告げた。 「私… リチャードのこと…好きよ。 少し怖かった…苦しかったけど… あなたが初めての男(ひと)…」 「…ファリア??」 「あなたなら何されてもいい。 どんな形でもいい。 あなたに初めてを捧げたいって思ってた…」 「…ファリア!?」 責められなじられると思っていただけに驚きの目を彼女に向ける。 「でも僕は…男として最低のことをした… こんな僕を許してくれると言うのか?」 「許すも許さないもないわ。 …むしろ私がいけなかったの。 あなたを信じて、あんな噂を信じなければ… 先輩に抱きしめてもらうこともなかった…」 「あ…」 彼女が何故あの先輩に抱きしめられていたのか、理由を察した。 不本意な自分の噂が彼女を苦しめ、他の男の胸で泣くことをさせてしまった。 それも解らずに見た瞬間、嫉妬で狂ってしまった… 最初は噂のことを説明しようと彼女のところに来たことを思い出す。 「ファリア…ごめん。 あの噂のことを…君に説明しようと思って来たんだ。 けど…君があの男に抱きしめられているのを見て… 我を忘れた…」 その言葉で彼が激しく嫉妬してくれたことを嬉しく感じる。 リチャードの身体が震えていた。 そっと優しく彼のくちびるに指先で触れてからキスする少女。 「リチャード… 私、嬉しいわ。」 「え?」 「だって…あなたが私を求めてくれた…」 頬を染めて告げる彼女。 「ファリア…それでも…僕が悪かった。すまない。 あの噂… 半分嘘だ。」 彼が申し訳なさそうな顔をして話し出す。 「最初は… 3年のジャネット=ニール。 僕を呼び出して… 無理やりキスしてきた。 振り払ってもよかったんだけど…僕は正直、何も感じなかったから 相手の勝手にさせておいた。 僕が反応しなかったから捨てセリフを吐いて去っていった。 次がレイチェル=オブライエン。 ニール先輩に聞いたらしく、激しく舌を絡めて、身体も摺り寄せてきたけど… 全然僕がその気にならないと憤慨して去っていった。 最後がセシル=ポートビー。 前ふたりの話を聞いてきたんだろうね… 激しく僕に迫ってきたけど… やっぱり反応しなかった。 最後に「あんたなんか男じゃない!!」って怒ってたよ。 コレが噂の真相。 …ごめん。 僕がちゃんと説明していれば、君を苦しめる事にはならなかったのに…」 ふるふるとファリアは頭を振る。 少女が聞いた内容とは少し違った。 確かにふたりは濃厚なキスを交わしていたと言う事だったが 一方的なキスだったと見た場面をよく思い出してみて解った。 彼の手は相手の身体に触れていなかったと気づく。 「…ごめんなさい。もっと早く思い出せばよかった。」 「え?」 「あなたの手… 先輩の身体に触れてなかったわ。」 「えぇ?! まさか… あの逃げていった足音、ファリア?」 「…そう。偶然2日連続で… ジャネット先輩とセシル先輩の時…」 「そっか… そうだったんだ。じゃ、誰が噂を? 君が廻りに言うとは思えないし…」 ふたりはふと考える。 少女がはたと気づく。 「ひょっとして… 先輩達、自分で言いふらしたんじゃないかしら?」 「え?」 「あなたが反応しなかったのが面白くなくて…」 「あ…!?」 あの3人ならやりかねないと彼も気づく。 みな体育会系で、強気な女生徒ばかり。 「そっか…」 リチャードは目の前の少女の白い胸に気づく。 自分が残した赤いキスマークが目に付いた。 「ファリア…ごめん。」 ジャケットを脱いで彼女に掛ける。 「え? あ…」 自分の肌蹴られた胸元に気づいて恥ずかしくなり 思わず彼に背を向ける。 背中から抱きしめる少年。 「ごめんな。怖かっただろう、痛かっただろう… 僕…」 「もういいの…リチャード… 私もいけなかったんですもの…」 振り返った少女のくちびると少年のそれが優しく重なる――― 結果的にふたりの秘め事――― to -3- __________________________________________________ (2005/9/27+2006/2/20加筆改稿) to -1- to Love Sick Menu |