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―週末

久しぶりにリチャードがキング号でローレン城を訪ねる。
ハープのレッスンがしたかったのだがロンドンの家にはないので城へ戻っていた少女。
午後のお茶を一緒にと思い彼は向かう。




「いらっしゃい、リチャード。」
「あぁ…。これ、お詫びに…」
「え? あ、あなたの家の…"フェアリー"ね。」

彼の手から渡される淡いピンクのバラの小さな花束。

「もうちょっと…持ってきたかったんだけど…」

差し出されたバラの香りをすうと嗅ぐ。

「ううん。そんなことない… 嬉しい。ありがとう。」

そばに控えていたベアトリス夫人に渡す。

「私の部屋に飾ってくれるかしら?」
「はい。お嬢様。」





ふたりは少女の部屋の居間で午後のお茶を楽しむ。
窓の外には雨雲が広がりつつあった。
夕方にはどしゃ降りの雨。

彼が帰ろうとすると馬では無理なほど激しい雨足。

「リチャード… 車を出させるわ。」
「すまない。」

控えていたベアトリス夫人が申し訳なさそうに告げる。

「申し訳ありません、お嬢様…」
「何? ベアトリス夫人…??」
「その…車は全部出払っておりまして。」
「え? 昨日、私が乗ってきたロビンのも?」
「はい。」
「車、ないわけ?」
「使用人の個人のものしか…
あの、リチャード様。
お泊りになっていってくださいまし。」

突然、振られて驚く彼。

「は?」
「お嬢様… 昨夜もおひとりでお夕食でしたし…」
「余計なこと言わなくていいのよ。いつものことだし。」
「でも、お嬢様… 
リチャード様、是非お泊りになってください。」

ベアトリス夫人は彼に懇願する。
リチャードは内心、かなり嬉しい。

「解りました。 家に電話を入れておきますから…」

ほっとした顔のベアトリス夫人が笑顔で言う。

「それならば、私が連絡させていただきます。」
「そうかい? よろしく頼むよ。」


ベアトリス夫人は部屋を出て行く。



「ちょっと… いいの? メアリ夫人が待っていらっしゃるんじゃ…?」
「いいよ、別に。」
「ホントに?」
「あぁ。君ともっといられるの…嬉しいからね。」

少女の頬は薔薇色に染まる。
そっと彼はくちびるを寄せた。






久々のリチャードとの夕食。
しかもふたりきりなので嬉しくてたまらない。

彼も笑顔を少女に向ける。

ベアトリス夫人はそのふたりを見て微笑んでいた。

 (リチャード様… ホントにお嬢様の事… 愛してらっしゃる…
 お二人の目を見れば… 愛し合っていらっしゃると… )



夕食を終えるとふたりは遊戯部屋でチェスを始める。
勝負の行方を見守る使用人達は一喜一憂するふたりをほほえましく感じた。
一応、一勝一敗でお互いいい勝負となった。




夜10時を過ぎてファリアは自室へ、リチャードは客間へと。



彼は深夜11時を過ぎてから、少女の部屋へと向かう。
ドアをノックすると白いナイトウエアのファリアが出てきた。
驚く目を見せる。

「どうしたの…? こんな時間に。」
「ちょっと…いいかな?」
「…えぇ。いいわ、」
「ありがとう。」


リチャードは居間のソファに腰を下ろす。
少女はなんのてらいもなく真横に座る。

「どうかした?」

少し申し訳なさそうな表情を見せる彼に問いかけた。

「…この間のこと…ホントにすまなかった。」
「もういいって言ってるでしょ?」

黒髪を揺らし彼の顔を覗き込む。

「…ファリア。 お詫びに君が望む事100%聞くよ。
例えて言うなら<拒否なしお願い権>ってとこか。
…君の言う事なんでも聞く。
だから何でも言ってくれ!!」

彼はソファから降りて彼女のヒザの上に手を置き、許しを請うように…

「…リチャード…」


その真剣なエメラルドの瞳に少女の心はきゅーんと締め付けられる。


「…解ったわ。
ね、今、発動していいの?」
「今?」
「えぇ。」
「…解った。言ってくれ。」

「…抱いてください。」

「は?」

リチャードは自分の耳を疑った。

「初めてがあんな風だったから… ちゃんと…ベッドで…」


少女は耳まで真っ赤にしてうつむいて告げる。

「それ…僕に対しての罰にならないよ?」
「いいの…」

少女はソファから立ち上がり、彼の手を取ってベッドルームへと行く。






「…ファリア…」
「お願い。リチャード…」
「あぁ、解った。優しくするよ…」


そっと優しくくちびるを重ねるふたり。


くちびるが離れるとお互い潤んだ熱い瞳。

彼は姫抱っこして軽がると抱き上げる。

「あ…」

そっと優しくベッドに下ろす。

「ファリア… 怖いなら… しないよ。」
「ううん…いいの…」

少女は自分でナイトウェアを脱ごうとするが、彼の手に止められた。

「僕が…脱がしてあげる…」

「う…ん…」

優しく彼の手がシルクのナイトウェアを脱がしていく。

「あ… ファリア… 奇麗だ…」

初めてまともに見る16歳の彼女の裸身。
細く白い肩、鎖骨が浮かぶデコルテに黒髪がかかりコントラストが目を引く。
やわらかなふくらみは発展途上とはいえ女らしいラインを描いている。
対照的に細い腰…  
可憐なレースで飾られたショーツ一枚の姿の少女は恥じらい、
瞳を閉じていた。

「ね… やっぱり大丈夫?」
「…えぇ。」


彼は少女の奇麗な身体を見ただけで、下半身に直撃していた。
13歳の頃から"女"として意識し出した幼馴染が、
恥じらいながらも肌を晒してくれている。

彼は自分のパジャマの上を脱いでいく。


鍛えられた白い胸板が少女の目に飛び込む。

「あ…。」


首元も肩先も腕も程よい筋肉で覆われた自分と全く違う肉体―

鋼のように逞しいと感じていた少女の目に間違いはなかった。
いつもその胸に抱きしめられていたのかと思うと更に恥ずかしい。

彼は少女の横に座り、肩を抱いてくちづける。
少女の腕は彼の首に廻っていた。

「ん…」

肩を抱いてない手が白いふくらみに触れてくる。
少し彼の手が震えてる気がした。

「あ… ん…」

彼女のくちびるから可愛い声が漏れる。
手のひらと指で優しく愛撫され、次第に尖りが主張してくる。
彼はそっと硬くなった可愛いピンクの尖りをくちびるに含み吸い立てた。

「はぁん…」

もう片方のふくらみは手で優しく揉みしだかれている。

「あん…ぁ… リチャード…」

恥ずかしさと喜びが同時に来てくらくらとする。
彼のくちびるから指先から熱い熱を感じて、体中に甘い電流が駆け抜けていく。

「あぁん…」
「ファリア… 可愛いよ…」

ちゅっとわざと音を立てて胸にキスした。

「んッ…!!」

肌がざわめき、もっと何かを求めて身体の奥から痺れるような疼きを感じている。

「あ、リチャード…」

甘い少女の声が彼の耳をくすぐる。
その声を聞いているだけで自身が力を増していくのが解る。

 (今日は… ファリアを… 気持ちよくさせてあげるんだ… )

初めての日のことを考えれば、怖いのが当然なのに
彼女は自分を求めてくれた。それだけでも嬉しくて愛しい。

彼のくちびるは白い肌を滑り降り可愛いヘソにそっと舌を入れた。

「やん!!」
「ファリアのおへそ…可愛いな。」
「ん、もう…」

身体を下へとずらし、白いおなかにキスを落としていく。

「や…くすぐったい…リチャード…」

時々、ぺろりと舐められる。

「ぁん…」

自分でも脚の奥が熱く潤んでくるのが解る。
一度彼を受け入れたとはいえ、まだ少女の身体は受け入れる事に慣れていない。
そっとリチャードは指先で溝に滑りこみ、撫で上げる。

「あぁん…」

既にしっとりと熱を帯び、蜜で潤んでいるのが解る。
彼女が感じてくれていると解ると自分も嬉しいと感じた。
何度も触れるか触れないかの優しいタッチで往復すると
彼女のくちびるから可憐な喘ぎ声が上がる。

「あぁ…はぁ…ん… んんッ… はぁ…」

少女は優しく触れられ身悶える。
更に蜜が溢れ出し、張り付くクロッチ布。

「ファリア…外すよ…」
「ん…」

そっと両手で最後の一枚が下ろされる。
つうッ…と蜜と布の間に糸が生まれて消えた。

「あ…」

彼は見ていて、この間との違いを実感する。

頬を薔薇色に染め、きつく目を閉じ、快感にこらえ震える華奢なファリアの身体―

いっそう自身が硬くなるのが解る。

「とても美しいよ…まるで美の女神だ…」
「そんなこと…ない…」
「そんなことあるよ。 本当に僕のものに…なってくれるんだね?」
「もう…あなたのものよ…。」

少女は震える手を伸ばし、彼を求める。
彼は応えるかのように身体を重ねる。

「好きよ…」
「あぁ…僕も…」

鼻先をこすり合わせ、頬を摺り寄せる。



「ファリア…もっと気持ちよくしてあげる…」
「…え?」

彼が足元へと下がっていくとそっとひざを撫で
ヒザ裏に手を入れ立てさせられて、開かれる。

「あッ… ダメ…ッ…」

既に知られているとはいえ、恥ずかしくて顔を背ける。
少し身体は震えていた。

「奇麗だ…」

ほんの少し覗いている花びらは可憐なピンク色。
蜜で濡れそぼり、煌めいて見える。

「やッ…!!」

脚を閉じようとするが止められる。身体に力が入らない。
彼は顔を埋め、キスする。

「はぁ…ッ…ンッ!!」

びくりと身体を稲妻が貫く。
猫のように音を立てて舐められ吸い立てられる。
自分でも聞いた事のない甘ったるい声が口をついて出る。

「ぁぁあ… あはぁ…ッ ダメぇ…ああぁ…」

びくびくと身体が勝手に震える。

「やだ!! 何…何なの…ぉ…」

自慰も知らない少女にはワケの解らない感覚。
彼の舌が敏感な花芽を捉えた。

「きゃぁ… あぁ…ああッ!!」


白い首を仰け反らせ、初めての絶頂に混乱を憶えながら
意識は半分飛んでいた。

「…ファリア、イった?」


彼が見ると少女ははぁはぁと呼吸を乱し、瞳は空を見つめていた。
目の端には涙が滲んで、頬は紅潮している。
肌はしっとりと汗ばみ、煌めいて見えた。

 (奇麗だ…)


「ファリア…もっとよくしてあげる…」

彼は蜜を指で絡め取ると、まだ狭い秘口へと滑り込ませる。

「くッ…あぁ…んッ…」

背を仰け反らせる少女。
埋め込んだだけできゅうと締め付け抜けない。

「ちょっと… きっついよ…」
「あん…はぁ…だってぇ…」

彼は指を入れたまま身体を彼女と平行にする。
そっと耳元に囁きくちづける。

「ファリア…好きだよ…」
「リチャードぉ…」

少し締め付けが緩んだと解るとかき乱していく。

「はぁん…やぁ…だめぇ…」

激しい水音が立ち、黒髪が淡いピンクのシーツの上に乱れる。
少女の手はシーツを握り締めていた。
その様は彼の男を刺激しまくる。


抽送を繰り返しながら、花芽に触れると再び激しい白い波に飲まれていく。

「あぁ…もう…あああっ!!」

びくびくと身体を震わせ絶頂へと達してしまう。


「…ファリア…」

涙と汗で顔は艶かしく見える。
薄く開いた唇にキスを落とす。

「…可愛すぎるよ… 」
「リチャード… お願い。 切ないの…」
「…ファリア?」

「お願い…」

まだ呼吸を乱したままの彼女が懇願する。
彼は自分のパジャマのポケットから小さな袋を出してくる。
万が一を予想して忍ばせていた。
本当に使うことになるとは思いもしなかったが…


彼女に背を向け、着けると振り返りそっと囁く。

「ファリア…大好きだ…。
愛してるよ… 君が欲しい…」
「リチャード…私も…」


頬を薔薇色に染め、応えるファリアが愛しい。

「辛かったら言って…」
「…えぇ。」

彼はそっと花びらに押し当て少しずつ進めてく。
先端が入り込んでいくだけでも気持ちいい。

「う…ぁ…」

熱くて柔らかい…でも狭い中へとゆっくり入っていく。

「フ…ファリア…大丈夫…か?」
「う…ん…。 リチャード…熱い…。」
「あぁ…ファリアもあたたかくて…気持ちいいよ。 もう少し…我慢して…」
「平気よ…来て…」
「あぁ…」

彼は両肘を彼女の肩先に置いて黒髪を指に絡ませ、
ゆっくりと腰をスライドさせながら奥へ奥へと…


「あ… ファリア… 全部、君の中だよ。」
「リチャード…」

そっと少女の手は彼の脇の下をくぐり、背に廻る。

「大好きよ…」
「あぁ、大丈夫か? 苦しくないか?」
「えぇ… リチャード…熱くてどくんどくんって脈打ってる…」

甘い溜息と熱い吐息がお互いくちびるから漏れる。

「あ…ん、リチャード…」
「はぁ…」

ゆっくりとゆっくりと腰を使い始める。
彼女のくちびるから漏れる喘ぎ声を彼は飲み込んでいく。
彼の動きは優しくゆっくりと愛しむように…


彼の胸板と少女のやわらかな胸が触れ合い、ぬくもりを分かち合っていた。


「ファリア…愛してる…
もう僕だけのものだよ。」
「リチャード…えぇ…」


彼のくちびるはデコルテにキスしたり、耳たぶを噛んだり
あごにキスしたり… 優しく優しく彼女に触れる。

「あ…ん…」

ふたりの水音が時折しかたたないほど密着していた。

彼の手は黒髪を撫でていた。

「ファリア…ずっと…ずっとこうしたいって思ってた…
君を愛したいと…」
「リチャード…私も… あん…」
「いいよ。いっぱい僕を感じて…」
「リチャード…あなたも…」
「ファリア… 」

見つめあいくちびるを重ねる。
彼は少しずつリズムを上げていく。

「ああぁ…あん…あぁ…ッ あはぁ…」

ふたりの汗がシーツに染みて拡がる。

「あ、もう…リ…チャードぉ… ダ、メ…!!」
「ふッあッ!! ファリア…!!愛してる!!」


彼が最奥を突き上げると少女の頭の中は真っ白に弾けていた。

「あっあーーーッッ!!」


がくがくと身体を揺らし首を仰け反らせ絶頂へと―――


彼も思い切り爆ぜる。
あまりの量にゴムに入りきれずに逆流するほど―――




彼が呼吸を荒げている下で少女はくったりとしていた。
頬は紅潮し、涙の溢れた痕、薄く開いた唇。
汗で黒髪が額や頬に張り付いていた。

「ファリア…奇麗だ…もう僕だけの…」

そっと優しく頬を撫でる彼の手。

「ありがとう…あんなことした僕を許してくれて… 愛してくれて…
僕は何があっても…愛するよ…君だけを…」


身を離し、初めて腕枕する。
愛しいファリアの頬にかかる黒髪を指先で外していく。
彼は自分の腕の中にいる彼女の心地いい重みを感じていた。
自分の肌に触れる黒髪の感触までも愛おしい。

「ん…」
「あ… ファリア…大丈夫か?」

彼は指の背で柔らかな頬を撫でる。

「えぇ…大丈夫よ。」

少女の手は優しく彼の頬に触れる。

「ん?」

優しいエメラルドの瞳で覗き込む。


「リチャード…大好きよ。」
「ファリア…」

潤んだサファイアの瞳が彼の心を鷲掴みにする。

「あぁ。僕も…大好きだ。」


お互いの肌の温もりがとてつもなく愛おしい―――



「…リチャード…愛してるわ…ずっと…」


愛の囁きは彼の胸に刻み込まれていく―――





fin
__________________________________________________
(2005/9/27)

*あとがき*
描き終わるとすッげー甘甘で、吐きそうですか??
テーマは「普段冷静でフェミニストな彼がキレたらどうなるか?」
で、ブチ切れたらめっちゃとんでもない事に…(汗)

おいおい…(汗)
やっぱり普段クールな男は切れたらとことん怖いということで。

ちなみにタイトルで散々悩んだのですが…
英和辞典を読んでて見つけた言葉です。

favor:好意、寵愛、偏愛、愛情のしるしが一般的な意味。
ですが、ぶっちゃけ古い意味の「身を許す」ということで…


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