夜の妖精      −7−




シンシアはショックを隠し切れなった。


ずっと彼が迎えに来てくれると信じていた。

しかし久しぶりに会った彼は自分のことよりファリアという女性を心配していた…

   「あの…美しいひとが… 彼の許婚…?!」


彼の態度で自分のことは眼中にないと悟ったのだった。











**********


一方、その頃。

ペリオスに誘拐された彼女は秘密基地の一室に監禁されていた。


「お前が…「ピアノ」とかいう楽器で音楽を奏でるというのか?」

尊大に問いかける異星人の男に乙女は答えない。


「……」


「黙秘か…?」

ふふんと鼻で笑いながらペリオスは彼女のあごを持ち上げその顔に言い放つ。


「黙っていればいいというものではないぞ!
女とて容赦はしない!」

「苦痛を与えればいいとでも思っているの?」

「いいや。逆のことでも効果があるということを証明してやろう。」

「何のこと?」

「この薬を使えばたちまち私の虜となる…くっくっ…。」

何かを企んででいるこの男の笑みに彼女は背筋が凍る思いがした。

「!  わ…私はピアノの演奏を聴いてくれた人たちが元気になればいいと思ってしていたのよ!
何もデスキュラに影響があるはずないわ!」

「そうか…そういうことだったのか…。」

勝手に理解したペリオスに乙女は疑問を抱く。

「な…なんなの?」

「お前のその「演奏」とやらで兵士たちの鋭気が養われたということか…」

「なんですって?!   …確かに軍で演奏はしたわ… まさか、そんな…」

「そのまさかのようだな。 やはりお前は私にとっては邪魔な女だということだ。」

ペリオスは薬を接触注射で投与しようとする。

「いや!来ないで!」

男の手を逃れようとするが、部屋の隅に追いやられる。

逃げることは出来なかった。

「い…いやぁ!」

ペリオスに床に組み敷かれ、スカートをめくりあげられる。

白い太ももにまだうっすらと不自然な痣が残っているのを男は見逃さなかった。

「お前は…」

その痣の意味することが男にはわかったのだ。

「そうか…お前が実験体だったのか…」

「!」

男の言葉に乙女の顔色が変わる。

「何故? …何故、あなたが知っているの?」

「お前が逃げたというグレン村の女だと気付かなかったとはな… 
お前で実験していた薬物は…女にしか効かないというものらしいが…
これは見ものだな。」

「! 一体何の薬なの?教えて!」

「これはお前たち地球人の言う「媚薬」といったものだ。
我々デスキュラ人には単なる治療薬なのだが…地球人には違う効果があるとわかった。
だから女をあの村に集めて実験していたのだよ。」

「なんですって?」

「さあ、私を楽しませてくれ…くくっ…」

痣の上から無理やり薬を打たれる。
その色が一段と濃くなっていく。


「いやああぁっ!」



ペリオスが見ている前で彼女の身体に異変が起こる。

「いや…!いや!」

心が頭が拒否しても身体の奥から熱くなるのが解る。

しかもここ最近、彼と睦んでないからなおさらだ。

自分でも体中が熱くて、あそこがトロトロになってきていることがわかる。

「助けて…リチャー…ド…」

意識があるのに身体は獣のように熱い肉塊を求めているのが切なくて苦しい。

ペリオスは冷徹な瞳で乙女を見下す。

「やはり…よく効いているな…」

男の足元で悶え苦しむ。


ペリオスは彼女の下着の上から指で秘裂をなぞる。

それだけでも彼女の身体は過剰に反応する。

「うう…  いやぁっ …くっ…」

必死に意識を保とうとするがそれが余計彼女を苦しめていた。

「ふむ…さすがに実験用のものより高濃度のものの方がよく効いているようだな。」

「あ…はぁっ…」

身体が熱いのを何とかしたくて身をよじるけれどどうにもならなかった。

「見ているだけではつまらんな…」

ペリオスは彼女の身体に触れる。
同じデスキュラ人の女とは経験済みだが地球人の女は初めてだった。
発情期があるデスキュラ人には地球人の無節操な性に驚いていた。

監禁されている部屋は床一面が柔らかなカーペットになっている。

男は彼女の下着を剥ぎ取る。

そこにあるのはデスキュラ人の女と同じもの。
しかし自分は発情期ではないので冷静にそれを観察する。

「ふむ…」
指先で弄ぶと奥からとろとろと蜜が溢れ出してきた。

「はぁん…」

切ないあえぎ声が漏れている。

指が滑り込むだけでも過敏に感じていた。

「なかなか面白いものだな…」

本格的に弄んでやろうとしたそのとき、基地内に警報が鳴り響いた…





***********


-この少し前

ビスマルクチームはペリオスの向かった基地を発見することに成功した。

すぐにマリアンと連絡を取りビスマルクマシンを呼んだが、
リチャードは一刻も早く救出したいからと先に潜入していった。


迫りくるデスキュラ兵士を倒しまくるリチャード。

「何処だ!  ファリア!」


周りを注意深く見ながら彼は奥へと突き進んで行く。

行き着いた先に立っていたのはペリオス。

「やっとおでましか…ビスマルク。  
おや?今回はたった一人か?」

「彼女を返せ!」

「ほう…あの女を返して欲しいのか?」

見下したようなその笑みがリチャードのカンに触る。

「あぁ、彼女を返せ!」

「まあ、いいだろう。そろそろ廃人にでもなっている頃だろう。」

「何っ?!」

一瞬戸惑うリチャードに銃口を向け発射する。

ヘルメットを掠める。

「くっ!」

彼がひるんだ隙にペリオスは逃げ去った。


リチャードはペリオスが背にしていたドアを開ける。

目の前には…





明らかに乱暴された痕。
彼女の瞳は空を泳いでいた。
唇からかすかにあえぎ声が聞こえる。
ヘルメットを外し彼女に近づく。


「あ…   あ…」

「なんということを!ペリオスめ!」

彼の声に気付いた乙女はしがみつく。
その華奢な身体を彼は優しく抱きしめる。

「リ…リチャード…  た…助けて…」

「あぁ、助けに来た。安心しろ。」

「お願い…  熱いの… 切ないの… おね…がい…」

「!」

自分にキスしてきた彼女の異変に気付く。

「おねが…い、欲しい…の…」

そのとき、リチャードは床に転がる注射器に気付く。

「まさか、ペリオスは…彼女に例の薬物を!?」

そうなると彼女の異変にも合点がいく。
となれば彼女の苦しみを和らげる方法はひとつ。
しかしこの場ではマズイかと思ったがそうも言ってられなかった。

リチャードは部屋のドアをロックした。
外部から開けられない様に。
万が一、進児とビルが入ってきたら不都合だと思ったからだ。

自分のプロテクトギアを外しにかかる。




身一つになった彼は悶え苦しむ彼女を抱き締める。

「こんな形で君を抱くなんて不本意だけど…」

耳元で囁くが彼女の意識に届いているかどうか解らなかった。

キスするだけでもいつもより過激に返してくる。

「ふぅ…んっ…」


その柔らかな乳房に指を這わせるだけで先端が硬くなるのが解る。

「あ…ん…」


背筋を指でなぞるだけで身をよじる。

「はぁあぁん…」

甘いため息が彼を奮い立たせる。


指が2本熱く滴る蜜壺に滑り込むだけで身体が愉悦に震えている。


いつもより艶っぽい表情の彼女にキスする。

自分もいつもより硬く熱くなっているのがわかった。

自身を沈めると、歓喜の声を上げで身悶える。

「あはぁっ… 」

ただでさえ愛する彼女をここしばらく抱いてなかった上に
目の前の凄艶な姿はたまらない快楽を呼ぶ。

律動を始めると、切なげに彼自身を締め付けてくる。

激しい水音が狭い室内に響く。
甘く激しい喘ぎが彼女の口から漏れていた。

「あん…あぁあ…  はぁ…ン…もう…ダメ…ぇ…」

びくびくと身体を震わせ、絶頂に達してしまう。
しかし薬のせいで、1度の絶頂では足りない。



そのことに気づいた彼は何度も何度も彼女を絶頂に追いやる…


熱くうねる内部で彼は何を感じたのだろう…








************


進児とビルが基地内に突入してきた頃にはペリオスは逃げたあとだった。


二人がリチャードたちを探しに回る。

しかし見つからなかった。

「どういうこったよ!」

「おかしいな… ここのはずなんだけど…」

開閉できないドアがあった。
ぶち破ろうと思ったがそれもかなわなかった。


「どうするよ、進児。」

「そうだな…」


しばらく二人が思案しているとそこの開けられないドアが開いた。


中から彼女を抱きかかえたリチャードが出てきた。


「「リチャード!」」

「心配したんたぞ!」
進児が声をかける。

「あぁ、すまなかったな。」

「で、なんでこのドアの中から出てくるだよ!」
ビルが叫ぶ。

「ちょっと彼女の容態が心配でね。」

「容態??」

その様子にやっと二人は気付いた。
彼の腕の中で意識を失っている。

「どうしたんだ?」
心配そうに進児が問う。

「ペリオスに薬物を使われたらしい…」

「何だって!!?」

「早く病院へ行こうぜ!」

「あぁ。」

3人はあわててビスマルクマシーンへと戻り、すぐにガニメデリアの病院へと運んだ。

彼女の主治医となったDr.フィッシャーが待っていた。

すぐに処置室へと送られる。

リチャードは例の注射器を持ってきていた。
医師にそれを渡し、彼女を発見したときの状況を説明した。

「確かにその場の判断はそれで構わなかったと思うよ。
あとの処置は任せたまえ。」


リチャードは処置室から出るように告げられる。




彼はペリオスに憎悪を抱きはじめていた。

処置室の前のソファで彼は拳を握り締めていた。
爪が手のひらに食い込むほど。

しばらくすると進児、ビル、マリアンがやってきた。

「大丈夫なの?」
マリアンが心配げに問いかける。

「まだ処置室の中だよ…」

「一体、何があったんだ?」
進児が疑問を彼にぶつける。

「ペリオスが彼女に薬物を使っていたようだ…」

「なんですって?」
「なんだと?」
「なんだってぇ?」
三者三様の反応。

「あいつ…そんな卑怯なことを…」
ビルが悔しげに呟く。

「抵抗らしい抵抗も出来ない彼女にあんなことをするなんて許せない…」

リチャードの静かな怒りがわきあがっているのが3人にはわかった。

沈む4人の前で扉が開き、ストレッチャーに横たわるファリアがいた。
すぐに病室へと運ばれる。

Dr.フィッシャーが出てきた。

「先生!彼女はどうなんです?」

「あぁ、薬はだいぶ抜けたよ。君の対処が良かったから早く抜けたんだろう…」

「そうですか…」
少し安堵する。

「入院はしなくてもいいが、しばらくは外出しない方がいいだろう。
ドメス将軍にもそう伝えておこう。」

「そうですね…」

進児が素朴な疑問であったことを尋ねる。

「あの…一体、何の薬なんですか?」

「まあ一種の…  自白剤というかそういったものだよ。」

とっさに医師の口からその言葉が出た。

事実を知らせない方がいいと判断したからだった。

「そうか…」

「しかしペリオスのヤロー、何でファリアさんを誘拐したんだ?」

「…どうやら僕たちのことを調べるためだったようだ…」

リチャードの答えになんとなく納得するしかなかった。













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あとがき(2004/11/14)
(2005/7/3 加筆)

なんか予想に反して長期連載に…
何でや〜???

まあ書きやすいというかなんというか…

終わるはずだったのに終われないよ〜(苦笑)