| 夜の妖精 −8− |
病室に運ばれた彼女に付き添っていたリチャードはその寝顔に囁きかける。
「今は…眠れ…。 君が苦しむのを僕は見たくない…」
強烈なストレスで彼女の身体は衰弱していた。
それと例の薬を抜くということでかなりの負担が身体にかかっていた。
処置室から出てきたDr.フィッシャーによると以前の3倍の濃度に高められた薬を使われていたということ。
地球人を人間と思わない卑劣なデスキュラ…
ドクターもまた彼らを憎んでいた。
-翌朝
ファリアが目を覚ましたとき、見慣れない天井が目に入った。
「私… ??」
記憶を辿る。少し頭が痛い。
『私… 演奏に出かけて… 孤児院に行って …そうだわ
デスキュラに誘拐されて…それから !』
例の薬物を投与されたときまでは覚えているがその後のことはまったく思い出せなかった。
ふとベッドの横にうつぶせて眠っている彼の存在に気付く。
『彼が… 助けてくれたのね…』
つうと瞳の端から涙があふれる。
幼い頃からいつも危険を顧みずに助けてくれる彼にいつの間にか恋していた…
これからもこんなことが続くのなら自分はいないほうがいいんじゃないかとさえ考えてしまう。
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彼が目覚めると、ベッドの上の彼女が涙を流していることに気付く。
そっと優しく指で拭う。
二人の視線が重なる。
口には出さない想い…
「ごめんなさい、リチャード…」
「何故謝る?」
「だって… あなたはいつも私のせいで危険な目にあっているわ…」
「そんなの気にしたことはない…」
「でも… でも …」
彼はそっと彼女に頬を寄せる。
「君が大事だから… 君を…愛してるから…」
その言葉でさっき自分が考えてしまったことが無駄だったと感じた。
「私… あなたのそばにいていいの?」
「勿論さ。」
「私、疫病神じゃない?」
「誰がそんなことを?」
「……。私。」
「なんでまた…」
その無上の彼の笑みに乙女は震える。
「ありがとう… 私、いつ死んでもいいわ。」
「そんなこと言うな。僕がそんなことさせない。」
そっと優しく唇を重ねる。
穏やかな空気が二人を包んでいた。
漆黒の闇をさまよっていた妖精はやっと明るい世界へと飛び立つ。
もうそこには誰もいない。
Fin
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あとがき(2004/11/16)
無理やり(?)終わらせました〜(汗)
だって書き出すとだらだらと書いてしまう自分がいるんだもん。
それにしてもやっぱりゲロ甘。
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To Love Sick