caress -3-
意識のないファリアの身体を毛布に横たえ抱きしめる。
まだ手足は冷たく唇は真っ白。
自分の吐息のせいかまつ毛が凍っていたのは融けていた。
手を握り、指を絡ませる。
冷たい唇に唇をかさね、熱い想いを込めて舌を絡める。
力ない舌は彼にされるがまま。
それでも構わずにこの6年の想いを打ち込むかのように唇を貪る。
(…僕の腕の中で死なせない!!)
どれくらいの時間が経ったのか―
冷たく反応のなかった唇が反応を示した。
「ん………っ…」
ゆっくりと瞼が上がる。
しばらく朦朧としていたけれど、己の状況に気付き彼から逃れようともがく。
しかし手はしっかりと握られていたために相手のなすがまま。
思わず瞳から涙が溢れる。
その彼女に気付き、唇を離す。
「良かった…気付いてくれた…」
「どうして…こんなこと? 私を修道女と知って…何故?」
狼狽し戸惑う彼女は顔を背ける。
白い胸元で鈍い光を放つ四葉のクローバーのペンダント。
そっと指で撫でるリチャード。
「…ファリア…会いたかったよ、君に。」
その言葉で初恋の相手―リチャードだとやっと解った。
名前を聞いたけれどまさかビスマルクチームの一員だなんて想像もしなかった。
「!! まさか… リチャードって…あなたなの!?」
「そう、気付かなかった? 僕も気付かなかったけど…そのペンダントと痣を見るまでは。」
まじまじとファリアは状況を忘れて相手を見つめる。
目の前の青年が初恋の少年の成長した姿―
「だって…ビスマルクチームなんて…危険な仕事…
ランスロット家の跡取りのあなただなんて…」
「君を探したくて…志願した。
本当に採用された時は嬉しかったよ。」
リチャードの言葉に驚きを隠せない。
「!! 私を…?」
「あぁ、あの事件の時、君は行方不明なだけで…
死んでないって…僕は信じてた。」
ぎゅっと手を握るリチャード。
顔を背けファリアは涙をこらええていた。
悲痛な面持ちで告げる。
「…母は…死んだわ。」
「そうか…つらい時を過ごしてきたんだね。」
「そうね、父も弟も…」
「!! 何を言ってるんだ? 生きておられるよ、君の父上もアリステアも。」
思いがけない言葉に目を見開くファリア。
「嘘よ! そんな…ありえないわ!」
「嘘を言って何になる?! 君の父は今は王室庁長官で公爵。
アリステアは飛び級で高等部にいる。僕の後輩だ。」
とんでもない事実にファリアは戸惑う。
「そんな…! じゃあ、私のしてきたことは一体…」
泣き出す彼女を抱きしめる。
「だから帰っておいで。 英国に、家族の元に、僕の元に!」
激しく口付けるリチャード。
「ん…っ んっ!」
思わず彼を押し返すが無駄だった。
唇が離れた瞬間に叫ぶ。
「やめて…私は今、修道女なのよ。こんなこと…許されない…」
瞳から涙を溢れさせ懇願するファリア。
「君は…僕を拒否するっていうのか?」
彼の声のトーンが落ちる。
一瞬、怖くなる。
顔を背け小さな声で呟く。
「今更…英国に、パーシヴァル家に帰れないわ…」
「戻れる。いや、戻してやる!」
毛布の上で抵抗するファリアの両手を片手で上に捻り上げる。
「いや! 止めて! リチャード…いやぁっ!」
彼女の抵抗に構わずに首筋や胸元にキスの嵐。
淡いキスマークが白い肌に散ってゆく。
「う…あっ…いやぁあああッ!」
彼に触れられた部分がじんと熱い。
何かが変わりそうで怖くなる。
「いやぁっ!」
乳房を揉みしだかれ、乳首を吸いたてられると体中が熱くなる。
「あぁ…いやぁッ…あんっ!」
ファリアの声に甘い喘ぎ声が混ざってゆくのを聞き逃さない。
両手を開放しリチャードはその胸に抱きしめる。
「帰ってくるんだ…僕のところに!」
「いや…ダメ…。 父が弟が生きていても…あなたには…
あなたには…恋人が …いるのでしょう?」
涙ながらに問いかけるファリアの耳元に告げる。
「あぁ、いるさ。君が。」
「!!」
熱いエメラルドの瞳で見つめられ、心にときめきが走る。
だがしかし抵抗をやめない。
「それでも…ダメよ。私は聖職者なの。お願い…止めて…」
「なら僕の手で俗世に戻してやる!」
リチャードは今まで手加減してきたが、その言葉で容赦しなくなる。
右手は臍から下へと滑り降り、三角地帯へと向かう。
薄い質素な下着に手がかかる。
「いやあぁッ! 止めて! いやッ!」
一層抵抗が激しくなるが彼の腕力に敵うはずもない。
指先がクレヴァスを撫で上げる。
すでにしっとりと湿っていた。
心では抵抗していても身体は正直に反応していた。
「あぁ…いゃあ…ッ」
―婚約した12歳の頃
夢見てた彼との結婚初夜
優しく姫抱っこされ、ベッドの上で愛される悦び―
そんな乙女な夢を打ち砕く、かけ離れた現実が目の前で起こっていた。
自分が恋していた少年が…青年になり強引に自分を犯そうとしている。
あの頃の優しい瞳の彼が懐かしい。
「あぁ、いや…っ!」
涙を撒き散らしながら言葉で抵抗しても無駄だった。
さらけ出された秘唇への愛撫―
「く…う…ぅ…あぁ…」
彼の指はさらに奥へと。
ヌルつく秘口を探り当て指先が入ってゆく。
初めての感覚に戸惑う。
「う…う…いや…ッ」
激しく水音を立てて掻き乱される。
粘着質な音が洞内に響く。
強引に開かれた脚の間に彼の身体が割って入り、
自分でも見たことのない秘所を彼に見られる恥ずかしさと恐怖でガタガタと身体が震える。
指と舌が溢れる透明な蜜を味わっていた。
「うぅ…イヤ… や…めて…」
「止めて欲しいなら帰ると…
僕の元へ帰ってくると誓うなら。」
「それも…イヤ…」
ファリアの言葉にカッとなる。
「何故だ!? 僕が…僕が…こんなに愛しているのに??」
「こんなの愛じゃない…ただの暴力行為だわ…」
「それなら…僕の子を宿せ! 結婚の理由になる!」
「!! 止めて! イヤ! そんなの…神が許すはずもないわッ!」
思いがけない彼の言葉に恐れおののく。
逃れようとするが腰をつかまれていて逃げられなかった。
完全に潤みきっていない蜜壺にグイと己の剛直を突き立てる。
あまりの衝撃に声も出ない。
しかしゆっくりと行くよりかは一気にしたほうが痛みは少ないと気遣ってのことだった。
「ひどい…ひどいわ…」
激痛にこらえながら彼を非難する。
涙がぽろぽろとこぼれる。
ファリアの指先はリチャードの背に食い込んでいた。
「君の聞き分けが悪いからだ…
ほら、子種をあげるから…」
「そ、それだけはゆ…許して…ッ!」
リチャードはゆっくりと律動を始める。
ゆっくりと次第にリズミカルになっていく。
「ああっ!ああッ…いやぁ、いや…」
「あぁ、愛してる! 愛してる!」
首筋にキスマークを散らしていく。
(あぁ、神よ…私、もうダメ…
やっぱり、彼を…
…愛してる…
こんなことされても、好きなの…
許して…神よ…)
突き上げられる衝撃で頭の中が真っ白になる。
もう何も考えられなくなってきていた。
「んッ! あっ!ゆ…許して…神よ…」
心の中の叫びが無意識に声に出ていた。
「まだそんな事を!」
激情のまま最奥を突き上げられる。
「ああ…ッ! 落ちてゆく… 私…を 許し…て…」
肌と肌が激しくぶつかる。
「…ファ…リア…?」
「神よ… 許して…」
リチャードの問いかけに答えない。
「恋に…落ちてゆく…私を…ゆる…あぁッ!」
ラストスパートをかける彼の耳にはっきりと聞こえた。
『恋に落ちてゆく私を許して』
聞いているかどうか解らない彼女の耳元に囁く。
「愛してるよ…そして、恋してる。
ずっと…君に…」
「あッ! あ…わ…たし…もぉッ… リ…チャー…ドッ!」
彼女の中で思い切り爆ぜる。
熱くたぎる精が子宮口めがけて流れ行く。
「あああああーッ!」
ビクビクと身体中をわななかせ歓喜の声を上げる。
「う…うッ!」
リチャードは放出が終わるまでうねる内部に留まっていた。
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(2005/4/26)