angel charm 02
その夜――ローザは見上に会いに来た。
直後からチームのメディカルコーチとして合流することが決定。
次の日の朝
全日本チームのメンバーの朝食の席で紹介される。
見上が18人の前に彼女を立たせ、紹介する。
「本日から、全日本のメディカルコーチ兼通訳をしてくれることになった
ローザ=ブラッドフォードだ。」
「皆さん、よろしくお願いします。」
見かけは完全な外国人なのに違和感のない日本語。
それ以外のことで驚きを隠せない人物が約1名。
岬だった。
あの「フィールドの女王」と呼ばれていたことを唯一知っていた人物。
「本当にあのローザなの?」
「一応はじめましてね。岬君。フランスの3年間のことは知っているわ。」
お互い顔を知っていても話したことはなかった。
岬は彼女のプレイぶりを知っていたし、ローザも岬のプレイも知っている。
そんな二人を見ていて少し嫉妬心が湧いた日向は割り込む。
「よお。昨日とはえらい違いだな?」
確かに昨日は仕事モードのフルメイクで着ているのもバルビエの最新モードのドレス。
今日は普通にダークブラウンのラウンドが大きく開いたトップスに黒のコットンのブーツカットパンツ。
明らかに今日は地味目だった。
「ふふっ、そうね日向。」
岬が目を丸くする。
「二人は知り合いなの?」
「一応ね。面倒だからこの場で告っちゃうけど、私半分日本人なの。
だから日本名で呼んでくれたほうがいいかも。」
一同はどよめく。
「何て呼べばいいんですか〜?」
反町が叫ぶ。
「久しぶりね、反町君!」
「へ?…そのアクセントはって… し、篠原マネージャー??」
「大当たり〜♪」
その言葉に若島津まで驚く。
日本にいたときと全然雰囲気が違う。
妙に明るいし、髪の色も瞳の色も違う。
しかしそのキャラクターを日向は以前から知っていた。
「あの〜東邦以外の人が多いので言っておきますけど、
私、日本に半年だけ住んでいたんです。
そのとき在籍した学校が東邦学園中等部。
サッカー部でマネージャーしてました。
そんなわけでよろしくお願いします。」
日本にいたときでも誰にでも分け隔てなく接していたが
ヨーロッパに帰ってからの彼女はさらにあっけらかんとしていた。
その日のナポリでの練習試合というか親善試合は日本の勝ち。
2-0で終わった。
夜、夕食のとき、チームメンバーが日向の元に集まる
「日向!」
「日向さん!」
「「「Happy Birth day!!!!」」」
彼らの祝いの言葉を受けて日向は照れ臭そうだ。
薔子に向かって呟く。
「そういや俺、今日で17なんだよ。」
「日向って今日が誕生日だったの??」
横にいた薔子が問いかける。
「そうだぜ。」
「ふ〜ん、知ってたら何か用意したのに。」
「いいさ、脚のコンディション良くしてもらったからな。」
満面の笑顔の日向。
みんなからサッカーボールをプレゼントされる。
薔子はその日向の頬にみんなの目の前でキスする。
ひゅーひゅーと野次が飛ぶ。
「何にも準備できなかったから、これで我慢して。」
耳まで真っ赤にした日向がそこにいた。
どうやら異性からの初めてのキスらしかった。
***************************
そして夜10時。
みんな部屋に戻って明日のために眠りに着こうとしていた。
そんな中、日向と反町の部屋の電話のベルが鳴る。
反町がバスルームにいるので日向が仕方なしに出る。
日向が出ると相手は薔子だとわかった。
「何でこんな時間に?」
バスルームの反町にはシャワーの音で聞こえない。
「ねぇ、ちょっと、渡したいものがあるの。悪いけど来てくれない?」
「今から?」
「ダメ?」
少し甘いトーンの彼女の声で言われると断れなかった。
「解ったよ。」
日向は部屋のカードキーを持って部屋を後にした。
反町がまだ風呂に入ったままだから。
そしてワンフロア上の薔子の部屋のドアを叩く。
中から彼女が出てきた。
「どうぞ。」
「あぁ。」
中にはいると明かりは間接照明だけで薄暗い。
小さなテーブルの上には小さな丸いケーキ。
ろうそくが3本立てられていた。
「ホテルの人に言って用意してもらったの。」
薔子はグラスにシャンパンを注ぐ。
泡がろうそくの灯りでキラキラと光ってキレイだった。
「座ってよ。」
日向は言われるままに椅子に腰掛ける。
薔子はその日向の椅子の肘掛に腰掛け彼の肩に手を回す。
グラスを渡し、自分も持つ。
「Happy Birthday ,hyuga!」
グラスがチンと鳴る。
中身を飲み干す薔子。
それを見習って日向も口に流し込む。
初めてのシャンパンは口当たりが良すぎた。
「ねぇ、火、消してよ。」
「あぁ。」
ふぅーと消すと薄明かりの部屋。
月明かりと間接照明だけが二人を照らしていた。
薔子は日向に唇を重ねてきた。
みんなの前のときとは違う本物のキス。
その柔らかさと熱さに驚く。
ソフトに薔子は舌を絡めてきた。
オトコの本能でその舌を絡め取る。
唾液が混ざり、湿った音が部屋に響く。
薔子は直接日向のひざの上に腰を下ろす。
すでに彼の下半身が反応していることを薔子は解っていた。
心地いい重さを日向は感じていた。
重くもなく軽くもない。
手に触れるさらさらとした彼女のを髪を指で梳く。
自分の首に回して来た腕。
日向は初めての感覚に戸惑いながらも
オトコの性が自分を変えてゆくのを感じていた。
「おい…」
「ん?」
日向は自分の自制が効く間に確かめておきたかった。
「お前… これ以上続けたら、俺が止まらなくなるぜ?
いいのかよ?」
薔子が今も日向を好きなことに気付いてない。鈍すぎだ。
くすっと微笑んで薔子は魅惑的に微笑む。
「いいのよ。 …日向。 オンナ抱くの初めてでしょ?」
図星を突かれグっとなる。
「私を最初に抱きなさいよ。 それが私からのプレゼント。
いらないっていうなら帰って。」
「マジで?」
日向が薔子の背に回した手に力が入る。
「うん。好きにしていいのよ…」
熱い視線がぶつかり合う。
BACK/NEXT
_________________________________________________________
(2005/2/19)