1.素晴らしき学園生活
私はこの聖ラミエル女学院中等部学生会会長職のローザ=ブラッドフォード。
一応、出身はスイス・ルツェルンなんだけど…学校はスイス南部ツェルマットにあるの。
だから天気のいい日にはマッターホルンとモン・ブランが見えたり。
今 私は14歳の春。
やっと自分の人生が見え始めたってところかしら…
聖ラミエル女学院は国際的に活躍出来る人材を育てるのが目的の学校。
私の友人たちもみないろんな意味で優秀な娘たち。
(変わり者も多いけど…)
寮生活はとても楽しい。
毎日が大騒ぎ。
寮の監督生でも或る私が大変なんだけど。
ある日のこと
あいも変わらずみんな寮の談話室でおしゃべり。
たいていは今日の課題のこととか、
今度の週末にデートに行くから何着て行こうとかたわいもない話。
私が談話室に入ると声をかけてきたのはマチルダ。
長身の金髪美人…なんだけど何故かワイルドな感じがするのが彼女だ。
育ちはいいはずなのになんでいつもお行儀が悪いのかしら?
「は〜い!ローザ。」
「今日は何の話題?」
テーブルに集まっていたのは、
ファ、マチルダ、エリス、ニーナそれにべス。
学生会のメンバーばかり。
みんな国籍も人種も違うけれど仲がいい。
「あのね、今度の復活祭のイベントの事〜。」
「あぁ、そのこと。」
「せっかくだしぱぁーっと騒ぎたいじゃん!」
嬉々としてそう言ったのはマチルダ。
「またここぞとばかり男装するんじゃないんでしょうね?」
私は頭が痛くなる。
昨年のクリスマスイベントの時、男装したマチルダが下級生を口説いていた。
やっぱりこの子って…危ない。
「ここはやっぱり会長のローザに話し決めてもらわなきゃね。」
書記のファが落ち着いた口調で告げる。
いつも彼女に助けられている。ありがたいことだわ。
「そうね、例年通りでいいんじゃないの?」
「そんなのつまんない〜!」
予想通りのリアクションはマチルダ。
「そうね。やっぱりそうよね〜。」
あとの4人が同意する。
「奇抜なことはしなくていいってことよ、マチルダ。」
むくれる彼女をなだめるのは一番仲のいいニーナ。
子供っぽいマチルダにはぴったりの相方。
「じゃ、そういうことで。」
みんな面白くて退屈しない楽しくて大切な私の友。
彼女たちがいなければ今の私はなかっただろう。
何気ないけど素晴らしい学園生活が私の宝物……
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あとがき(20041122)
日向に出会う前の幸せな学園生活を営むローザ(薔子)を描いてみたくなりました。
できればショートストーリーでと思ったのですが私にとっては長期連載になるかも??
もともと彼女というキャラクターが生まれた時点で
こういった学園生活を描いていた私。
そのうちキャラクター紹介をつけます。
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