Silly Action   〜その2




デスキュラとの戦闘はいつも大変。
今日は複数の巨大メカに投げ飛ばされたり、蹴りも入れられたりと激しいものだった。
そのために頑丈なビスマルクといえども、ダメージは甚大。



「今日は… 連邦軍基地でメンテしてもらったほうがいいな…」

リチャードがシステムでマシン全体をチェックして進児に言う。

「しょーがねぇなぁ。火星基地に行くか…」
「あぁ。その方がいい。」


「スーパーフライトして大丈夫か?」

進児はレフトコンソールの彼に問う。

「ちょっと待ってくれ…


ん、出来れば通常航行のほうがいいな。
エンジンに負担がかかりそうだ。」

「解った。 じゃ、自動操縦にして…休むか。」

「そうだな。」



進児の判断により
食事を済ませ、各自休むことになる。

「進児君たち、お休みなさ〜い。」

マリアンはひとり部屋に戻っていく。



3人衆が3段ベッドの部屋に入ると… 私物が散乱していた。

「またかよ…(汗)」
「しょーがーねぇなぁ…」

ビルが呟き、進児が足元に散らばる物を拾っていく。

「ふむ…」

リチャードは部屋の管理システムを覗きこ込む。
重力管制システムをチェックしてみると今は大丈夫だということがわかった。


「やはり今日の戦闘のせいでちょっとの間、バグしてたみたいだ。」

「そうか…」



3人はそれぞれの私物を拾っていく。


ふとリチャードの目が留まる。
手に取ったのは… 写真が掲載されている雑誌。
肌も露わな女性達が淫らなポーズを取っていた。

彼の目に映るのはストレートの黒髪の少し華奢な感じの乙女がフルヌードを晒している姿。
どこか…彼女に似ている気がした。

動きが止まっているリチャードに気づくビル。
ビルが覗き込むと自分のものである雑誌に見入っていた。

肩越しに覗き込んでいたビルはニコニコと笑顔で突っ込む。

「おや… やっぱりリチャードも年頃の男だったんだ♪」
「なっ!?!?」

ビルの言葉で耳まで真っ赤になる。

「ははは…いいっていいって♪
それ…やるよ。ちょっと惜しいけどな。」

「…いらん。」

ビルにつき返すが笑顔で渡される。

「遠慮するなって!!」

その様子を見ていた進児が眉をしかめてビルに言う。

「ビル… こんな物、持ち込むなよ。」

「いいじゃねぇかよ。マリアンの目に入るわけでもなし。
進児も一冊やろうか?」

差し出された進児は表紙を見ただけで驚く。
進児もリチャードもそのテの雑誌をあまり目にしたことはなかったので
かなり恥ずかしい。


「まーまー!! そうだな… 進児にはこっちかな?」

ビルが出してきたのは金髪の美少女達ばかりのもの。


リチャードは固まりつつも、しっかり乙女の姿を見ている。

 (似てるけど… やっぱり違う…
 少し瞳の色も… 身体つきも…   )

「いらんよ。ビル。」
「何言ってんだ、やるよ。
どうせ例の彼女でも思い出してんだろ?」

カァっと頬を赤く染めるリチャードをビルは笑って見ていた。
進児は少し同情している。

「ほら、進児も。 遠慮しないでいいぜ。」

笑顔のビルが顔を赤く染めた二人の間にいた。






 *


私物の片づけが終り3人がそれぞれパーソナルスペースへと引っ込む。


リチャードは一応一通り、目を通してみた。
黒髪の乙女…クリスティーナがファリアに似ている乙女の名。

雰囲気は確かに似ているが顔立ちが少し違っている。

 (でも確かに… 19歳になった彼女は… こんな感じかもな…)



本人ではないと頭で理解しつつも、彷彿とさせる雰囲気は十分にあった。


「…ファリア…」




進児は進児で鼻血を噴きそうになりながらも、しっかり見ていた。
純情少年には刺激が強すぎた。

 (どうでもいいけど… ビルのヤツ、何処でこんなの手に入れてくるんだ?!)






その夜の3段ベッドはそれぞれ違う時を過ごしていた―――――









End

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(2005/9/23&24)
(2015/05/15 加筆修正)


*あとがき*

アホな下ネタ系2本立て。
ごめん、ビル…こーゆーネタは君が一番シックリするんだわ。

ビルファンにケンカ売ってることになるのか??



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