(注) このお話はBismark Novel:Never a oneの続きです…
remain -1- |
デスキュラとの戦争が続く中
リチャード=ランスロットは決意を固めていた。
絶対に彼女を探し出すと。
例え どんな姿になっていようとも…
アンドロメダ方面から親衛隊隊長ペリオスが姿を現した。
彼は今のデスキュラ軍では地球軍に勝てないことを知っていたから
ある星に出向く。
木星のアステロイドの中に巧妙に隠された秘密人工惑星・デロス。
星にはかつてデスキュラ人が支配したカリオナ人が暮らしている。
彼らの科学技術は目を見張るレベルだったため、デスキュラ人に利用されていた。
「戦争」を知らなかったカリオナ人は今、デスキュラ人たちが地球という星の人たちに
自分たちと同じ目を味わせていることに胸を痛めている。
反抗すると仲間が無抵抗のまま殺されていくのを見ているしかなかったカリオナ人は
どうすることも出来なかった。
高機動高出力のエンジンを開発していた研究室では
設計図をデスキュラに隠していた。
そのことにいち早く気づいたのがペリオス。
彼はデロス星の研究室に突然現れ、設計図を持ち出した。
彼らを脅し、無理やりエンジンを造らせる。
工場施設に乙女が現れ彼らに命じた。
「エンジンを壊してしまいなさい!」
技術者たちも同意したところだが、破壊するのも大変な作業。
そこへペリオスがやってきた。
「勝手に破壊されては困るな!」
彼はせっかく造らせたエンジンが壊されるのを恐れて、命令した乙女と壊そうとした技術者を連れ出す。
建造中の戦艦に拉致する。
技術者…ダイルは無理やり設置をさせられた。。
乙女はいつもペリオスに逆らっている。
だからいつか こんな目にあうのではないかと危惧していた。
カリオナ人の指導者として彼女はいつも毅然とペリオスに逆らう。
彼の言うなりだと いずれすべての民が殺されるのは時間の問題だと感じて。
彼女は拉致されたダイルと協力して戦艦を脱出しようとするが
同じ脱出するなら艦を破壊しようと言い出す。
そしてダイルと姫がエンジンルームへ忍び込む。
同じ頃、この艦は戦闘を始めていた。
相手はガニメデ星にいる地球連邦軍。
ビスマルクチームも駆けつけるがその艦の圧倒的火力に連邦軍は総崩れ。
高出力の大型ビーム砲があっという間に地球の艦を沈める。
その光景にビスマルクチームはある決断をする。
「内部から破壊しよう!」
言い出したのは進児。
同意したのはリチャードとビル。
3人が突入するとビスマルクマシンが危険なのでビルとマリアンが残る。
進児とリチャードは侵入に成功した。
「メインエンジンを破壊だな?」
「あぁ。」
なんとかメインエンジンルームの扉を見つけた二人。
中から言い争う男女の声がする。
「姫様、ここのスイッチは私に任せて、そこの脱出ポッドでお逃げください!」
「何を言うの?嫌です! 私は死んで行ったカリオナ人と地球人のために
ここに残ります。」
「ダメです!あなたが帰らなければ民が嘆きます。どうか…」
その時、進児とリチャードが追いかけてきたデスキュラ兵から逃れるために
エンジンルームに転がり込みドアをロックする。
「!」
姫はいきなり入ってきた二人を見て言う。
「あなた方は… 地球人!?」
「! あんたたちは…デスキュラ人じゃないのか?」
明らかに今まで見たデスキュラ人たちと容貌が違う。
「えぇ… 私たちはカリオナ人。デスキュラ人などではありませんわ。」
1歩前に出てきた青年が告げる。
「私たちはこの艦を沈めます。
あなた方はそこの脱出ポッドでお逃げください。」
「一体、どうやって沈める気なんです?」
リチャードが尋ねると青年が答える。
「このエンジンを暴走させます。」
「何だって?!」
進児とリチャードは思わず叫ぶ。
姫と呼ばれた乙女が言葉を続ける。
「この高機動高出力エンジンは私たちカリオナの技術の結晶。
これのためにカリオナ人も地球人も死んで行くのが嫌です。
ですから… 私が責任を持って破壊します。 」
悲しい面持ちになる乙女に進児とリチャードは黙ってしまう。
「姫様。私が暴走のパスワードを入力します!
ですから教えてください!」
ダイルは必死に姫に懇願する。
しかし頑として彼女は許さない。
「ダメよ、ダイル。 私がいけなかったのです。
さ、早く。」
乙女がコンソールを叩くとガコンと音がして 壁面に扉が現れる。
扉を開け、男3人を押し込み、自分はコンソールへと向かう。
「姫様!」
その扉が閉まる瞬間、リチャードは飛び出した。
扉が閉まると同時にポッドが射出。
転がり出たリチャードは乙女の足元に。
その出来事に驚く乙女。
「くっ!」
「な…何故?!」
「異星人とは言え、あなたのような乙女をひとり置いて行くなんて出来ませんよ。」
彼の言葉に心がときめくけれど、それを隠してコンソールキーを叩く。
「……」
最後の一人用のポッドの扉が開く。
「あなたはそれに乗ってください。」
「ダメですよ。さっきの男の人が言っていた様に、あなたを置いて行くなんて出来ません。」
彼の言葉にかまわず、コンソールを叩き暴走開始のボタンのパスワードを入力する。
これを入れればブリッジからの制御もきかなくなる。
その前にと乙女は彼をポッドに押し込もうとするが抵抗される。
「僕ひとりで脱出なんてしません。」
「でもあれは一人用なんです!。二人は無理です!」
しかし乙女の言葉にかまわず彼はコンソールキーのところまで行く。
彼は新たに出てきた大きく点滅しているボタンを押す。
『暴走開始まで5分。』
メッセージが流れると乙女を抱きかかえてポッドに乗り込む。
「失礼!」
「きゃっ!」
一人用なので二人が入るとかなり狭く密着状態に。
二人が乗り込んだ瞬間、ポッドは射出。
5分後…
艦は大爆発。
ポッドの小さな窓から閃光が見える。
周りの地球軍が驚いているのがよくわかった。
NEXT
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あとがき(2004/9/11)
(2013/02/17 加筆改稿)
ふふふ…ついに書き始めた再会パラレルシリーズ第4弾。
このお話結構好きです♪
テーマは「密着型再会」
どこが密着かって?
それは次回に。
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