Midnight shuffle −2−



―3日後


毎食、料理するバーディの姿に慣れ始めた4人衆…

しかしバーディもスージーも落ち込んだまま…




ブルースが色々と調べてみたが原因は不明のまま。

「一体何が原因なんだ?
不便はないから、構わんがな…」

ブルースとビートに確かに不便はなかったが、本人達とロックとジミーは違っていた。




昨夜、ロックはバーディの部屋に行ったのだ―



少し酔っていた事もあって、いつものようにバーディを仲良くしようと思い部屋に入る。

既に明かりは灯っていなく、ベッドに横になっていた。

少しおぼつかない足取りでベッドに入り、キスしようとして…
一気に酔いが醒めてしまった。


そこで眠っていたのはスージー(外)。

興奮も醒めてしまい… とぼとぼと自分の部屋に戻っていった。



ジミーもまたいつものようにスージーにおやすみのキスをと思っていても…
行けなかった。
スージーの部屋にいるのはバーディの身体をしたスージー。
いくら中身がスージーでもためらってしまう…




本人達はもっと大変。

服の好みからして正反対。
それにかなり背丈もボディサイズも違うので服を取り替えることも出来ない。

新しい服を買いに行こうかとも二人とも思ったが違和感を感じていた。
露出度の高いスージーと身を覆ったバーディ。


   *



いろいろと思うところもあり、二人揃って溜息が出る。

「どうすんのよ、この状況…」

中身バーディが呟く。

「そうよね…やっぱり困るわ。」

中身スージーが呟く。


「ね、再現してみない?」
「それしかないかしら…」


その日の夜中、ふたりは冷蔵庫の前で額をぶつけ合ったが
…元には戻らなかった。


「もう!! どうしろっていうのよ!!」


ふたりともどうする事も出来ないまま、自分の部屋に戻っていく。




バーディ(外)が部屋に戻るとジミーが待っていた。


「戻れなかったんだね…」

「ジミー…」

ぐすっと泣き出すスージー。

思わずジミーの腕の中に飛び込んでいく。
やはり中身はスージーなんだと思うだけで愛しい。


そっとくちびるを重ねるといつもと違う感触。
けれどしぐさも反応もスージーそのもの。


「スージー…絶対、元に戻して見せるよ。」
「うん…」

しっかりと抱きしめられた姿はバーディでも存在はスージーだからと思えた…





   *


スージー(外)も部屋に戻るとベッドに腰掛けたロックが待っていた。

「あ…やっぱり…」

戻ってきたのがスージーなのだから失敗したのだとわかる。

「しょーがないでしょー…」


はぁと溜息が出る。


「な、バーディ…」
「ん?」
「俺…そろそろ…我慢の限界なんだけど…」
「何が?」
「Hしたい。」
「は?」

ロックの顔を見るとイヤに真面目な顔。

「何言ってんの?ちょっとまずいでしょ。」
「なんでさ?」

「そりゃ、中身は私だけど…身体はスージーよ。」
「だから?」
「やっぱ…処女でしょ? この身体。出来ないわよ。」

バーディの言うことももっともだ。

「じゃ、身体バーディ、中身スージーとしろって言うのかよ?」
「それも…ちょっとまずいわよね…」

バーディはあっけらかんと言い放つがロックはひとり湯気が出そうなほど興奮していた。

「もう どっちでもいいよ!!」

スージー(外)の服に手を掛けようとするロックの目は完全に発情した男の瞳―


「ちょ… まずいってば!!」

思わず部屋から逃げ出したスージー(外)

「待ってくれよ!!」

追いかけるロック。



駆け出した先はスージーの部屋。




スージー(外)がバーディ(外)のいる部屋に駆け込むとキスしてるふたりの姿。

「うっわ〜…」

ロックがそのシーンを見て呟く。
横でスージー(外)は呆然としていた。

「ちょ…ちょっと…何だよ〜!!」


ばつが悪そうな顔をするジミー。
スージーに見咎められている気がする上、バーディと浮気しているような錯覚。


「ちょっと!! スージー!! 私の身体でジミーとキスしないでよ!!」
「仕方ないじゃない!!」


開き直ったバーディ(外)。

それをみてスージー(外)は言い出す。


「じゃ、こっちはHしてもいいのね?」
「え?」

さあっと顔色が変わるバーディ(外)。

「ヤダやだっ!! そんな事しないで!!」

泣きながら部屋を飛び出すバーディ(外)


「ちょっ… スージー!!」

追いかけるスージー(外)。

廊下でこけたバーディ(外)
追いかけてたため勢いがついて止まれなかったスージー(外)は思いっきりバーディ(外)の上に…


ゴツ!!



ふたりの頭がもろにぶつかる音―




「いったー!!」

下で叫ぶバーディ。

「いったーい!!」

上で叫ぶスージー。


「って、あれ?」

上のスージーが気づく。


「あっ!? 戻った??」
「え?!」

二人は身を起こし、お互いの顔を見る。

ロックとジミーが追いかけてきていた。

「おい。大丈夫か、ふたりとも。すっげー音したぞ?」


「私、バーディ。」
「私…スージー…」

「「あ!! も、戻れたぁ〜!!」」

二人の叫びを聞いてロックとジミーは顔をあわせた。

「よかった〜。」

ジミーがスージーに抱きつく。


そこへブルースが何かのデータを持って駆け込んでくる。


「あぁ、バーディ、スージー…ここにいたか。
原因がわかったよ。 あの日あの時刻…
宇宙放射線の…」

説明しようとするブルースの言葉を遮ったバーディ。

「もう、戻ったわよ!!」

「え?」


ブルースがふたりを見ると顔つきが前の状態に戻っている。


「本当に?」
「えぇ。今、さっきね。」

「そうか…なんにしてもよかった。」



スージーがジミーの腕の中で歓喜の涙を流していた。

「やっと…元の生活に…って、痛たた… これ…??」

「あ、ごめん。スージー。あなたの身体、昨日からアレよ。」
「って、え? 2日目?」
「そう。」
「そういうことは早く言ってよ。」




何とか騒動は治まったけれど、
あれからあと、夜中にキッチンには煌々と明かりがともされるようになった。

もうあんなことが起こらない様に―






End


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あとがき(2005/10/12)
キリ版・2001の平安朝美人様から頂きましたリクエスト
「バーディ&スージー人格入れ替わり」ネタです。

う〜む…やっぱりサスライガーは書いてて楽しい♪
というかBISでは書けないネタで書けるのが…
こーゆーネタは出来ないよ、向こうじゃね。

若干、下ネタ気味かしらね〜☆



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