distrust



――――――ルヴェール博士を必死の思いで救出したビスマルクチームの4人。。。。

地球への帰還直後、デスキュラ側からの突然の休戦の申し出。

4人は猛反対していたが、ルヴェール博士は休戦に応じることを決断。



博士と4人はそのことについて話す。。。。。。。。





進児が思わず叫んでいた。

「休戦の話し合いを始めるなんて、デスキュラを信じるんですか!!!」

それに対しルヴェールは至って、平然としている。

「信じられるか信じられないかは、お互いの努力によって解るものではないのかね?」

ため息をついてルヴェールはソファに腰を下ろす。



いつになく進児の顔は険しい。ビル、リチャード、マリアンまでも。

「相手はデスキュラですよ!?」

進児の叫びをフォローするかのようにマリアンが続ける。

「お父様、デスキュラを一番よく知っているのは私たちなのよ。」

「それはよく解っている。」

「だったら、私たちの意見も聞いて!」

やはり叫ぶような声の娘・マリアンに諭すように返す。

「マリアン。過去において、歴史上の大戦争がどのように終結したか、思い出してみることだ。
話し合いの努力こそ、大切なんだよ。」

ビルは怒りあまってテーブルを叩く。


「でも、デスキュラは俺達とは違うんです!!!」

それでもルヴェールは冷静を保っていた。

「いや、私はこの目で見てきた。話もした。
彼らの多くは我々と同じ感情を持ち、同じ倫理観を持っていた。」

それまで黙って聞いていたリチャードが口を開く。
4人の中で一番冷静沈着な彼でさえ、デスキュラに対しての感情は怒りをはらんでいる。

「お言葉を返すようですが、僕にはどうしても信じられないんです。」

「無理もない。君らは戦いの中でデスキュラの嫌な部分のみ見てきたんだから……
しかし、本当の平和は力によってではなく、人間的秩序によって得られるものだ。
今度はその秩序を回復するために協力をしてくれたまえ!」

ルヴェールの命令口調に、進児は呆れ、マリアンも怪訝な顔。
リチャードは腕を組み、黙考している。 ビルはそっぽを向いていた。



********



不機嫌なビルを筆頭に(?)4人は外出。。。。
外出先で、4人はテンガロ村のジョーン先生と再会。


ビルはジョーンとのデートへと――――



そんな中、ペリオスが休戦交渉の全権大使になったというニュースが4人の元に。。。。。。


連邦軍基地でペリオスと顔を合わせた4人はやはり不信感をぬぐえない。
ペリオスの涼しげな不敵な笑みを見たから。



*******


ルヴェールは4人を招集し、話を切り出す。


話を聞いて、憤慨して叫ぶビルがいた。

「なんだって?!ビスマルクチームが解散!?」

「ビスマルクまで解体するんですか?!」

進児までもが叫んでいた。

「平和のためだ。」

交渉の席で決まったことだと4人に静かに告げた。

「ここはひとまず、私の決定に従ってもらいたい。」

「納得できませんよ、俺は!!」

ビルがルヴェール博士に向かってかみつくように叫ぶ。

「やつの言いなりになるなんて。」

「ビル。冷静に考えてくれ。この条件をのむことがデスキュラとの休戦に
一歩踏み出すことになるんだ。」

「そのあと、デスキュラはどうなるの?」

マリアンが不安を浮かべた瞳で尋ねる。

「永久移住の小惑星が見つかるまで、火星に居留地を与えることにした。」

「火星に?」

進児が問いかける。」

「その方が監視しやすいからね。」

「なんとなく、すっきりしないな。」

ルヴェールの言葉にリチャードまでもが突っ込む。


決定事項にやはり疑念がわく4人がいた。

「すっきりどころか、俺は反対だ!!!」

「ビル!!」

叫ぶビルに進児までもが叫んでいた。

「進児。お前はなんとも思わないのか?ビスマルクまでぶっ壊されてよ!」

怒り心頭のビルは八つ当たりのように言い放つ。

そんな空気を読んで、ルヴェールは静かに告げる。
「とにかく、私の指示に従ってもらいたい。これはお願いではない。命令だ。」


いつになく神妙な空気の中、進児、マリアン、リチャードは博士の前にチームのIDカードを返却する。

「チームの身分カードはお返しします。」

「ありがとう。今までの働きに心から感謝するよ。」

3人と違い、ビルは叩きつけるようにカードをテーブルに置く。

「ふんっ!! 俺は一人になってもデスキュラの野郎と戦うぜ!!」

怒号を放って、部屋を飛びだしていく、ビル。
それを見ていた進児、マリアン、リチャード。そしてルヴェール博士。

「ビル!!」
進児が呼び止めようとしたが、無駄だった。

「今は興奮している。あとで、君から説得してくれ。」

「俺だって、納得したわけじゃ、ありませんから。
説得する自信はありませんよ。」

進児の言葉にむっとした顔を見せるルヴェール博士だが、けっして感情的にはならない。


「我々は地球へ戻る。君たちも直ちに地球へ向かって出発しろ!」



4人はビスマルクマシンへ乗り込む。解体される運命を背負って――――――






to next

__________________________________________________________________________________________________________________________
(2009/07/26)