White Snow -6-


3人衆が風呂から上ってくると女性陣が居間で談笑していた。

「あ、上ってきた〜!!」

ファリアがソファから立ち上がると、ジョーンも立ち上がる。
肩を貸してもらってキッチンへと向かう。

「何を話していたんだ?」

残っているマリアンに進児が問いかける。

「女同士の秘密♪」

「ふーん…」

ビルは一応納得した返事。

「随分楽しそうだったね。」

「うん。 ふたりからお化粧のこととか
ファッションのこととか…色々とね♪」

ビスマルクチームの頃はまわりは男3人だったと言うのも合って
乙女な話題で話せて嬉しいマリアンがいた。


ジョーンとファリアがトレイにグラスを載せて戻ってきた。

「はい。お三方。どうぞ。」

手渡されたのはミネラルウォーター。

一気に飲み干す3人。


「ぷは〜… うまい〜♪」

腰に手を当て、一気に飲んだのはビル。

「おっさんか、お前は?」

「ははは… 一番年下のクセにな。」

進児とリチャードの突っ込みで5人の口からは爆笑を誘う。



リチャードはご馳走様と言って彼女にグラスを渡す。
それを見習って進児とビルも渡した。



そして6人はそれぞれの部屋に引き上げる。
ただ…リチャードは彼女を抱き上げて…




   *


彼は彼女の脚を気遣っていた。
だから今夜は優しくそばにいようと思っている。


彼女がクローゼットの前においてある、
パーテーションの向こうに入ると声を掛ける。

「スツールを持っていこうか?
それとも着替えを手伝おうか?」

「大丈夫よ。」

くすくすと微笑み混じりの返事が返ってくる。


彼も手早くパジャマを着ていた。
ベッドで身をヘッドボードに起こし、新聞を読む。


パーテーションから出てきた彼女はドレッサーにつき、
お肌と爪の手入れをし始める。

彼は新聞に目を通しながら、彼女の様子を伺っていた。



子供の頃をふと思い出す。

同世代よりもやや小柄で控えめな少女。
ただ好奇心は旺盛で、いつも瞳をキラキラとさせていたと…



今、自分のそばにいる乙女は…
華奢だけど女らしい素晴らしいプロポーションの持ち主。
長い黒髪が白い雪肌に映える。
やっぱり何処か控えめで…だけど弱いわけでもない。
すっと伸びた背筋でそれが解る。。。




新聞ではなく、じっと自分を見つめる視線に気づく。


「どうかした、リチャード?」

ふと こちらを振り向く、彼女はシルクのナイティ。


「いや…何でも…」

不意に照れ臭くなり、顔を背ける彼。視線を新聞に戻す。


「…」

無言で彼女はベッドの彼に近づく。


「ねぇ…何を考えていたの?」

彼は新聞をベッドサイドのテーブルに置く。

ぷに と彼の頬を指でつついてきた。
返事はない。
調子に乗って、さらにつつく。

「ねえったら…」


つつく手を彼は掴む。

「別に…何もないよ。」

「…ホントに?」

「あぁ…」


そのまま彼女を押し倒したい衝動を抑えるために彼は背を向けた。

乙女は不安になって小さな声で問いかける。

「…ねぇ、怒らせちゃったの?」

「いいや。」

「じゃ、こっち向いてよ。」

「…」

仕方なく向きを変え、彼女の顔を見る。


今にも泣きそうな顔。。。

「さっきの怒ってるの?」

「違うよ。」

「じゃ、何故?」

「…… ワケを聞きたいか?」

「えぇ。」

「…本当は君を抱きたい…けど…」

「けど?」

乙女が首をかしげると黒髪が揺れた。


「…今日、君は捻挫してるし… それに少し怖いんじゃないかって思ってさ。」

「え…?」


ふと今日の事件を思い起こすが
…目の前の恋人を怖いなんて感じもしない。


「あなたは…怖くないわ。
確かに見知らぬ男だと怖い気がしないでもないけど?」



笑顔の乙女を見て、笑みがこぼれる。

「…キスしていいか?」

「わざわざ聞かないで…」



優しく優しくふたりはくちびるを重ねる。


「…ん… ふ…」


彼の手が優しく、ふくらみに触れる。

エメラルドの瞳は優しい光が宿っていた。


「…大丈夫?」

「大丈夫よ。」


乙女は彼の首に腕を回し抱きつく。



「足は…?」

「…大丈夫。そんなに気を使わないで。」

「大切な君に無理して欲しくないだけだよ。」



乙女は… 彼の優しさが大好き。
けれど甘えてばかりもイヤだった。

「無理じゃないわ…」



彼は今までないほどに優しく丁寧に愛撫する。


「ふぅ…ん… あ…」


乙女の甘い溜息が彼の耳腔をくすぐる。


「…ファリア…」

「ん…リチャード…」


潤んだ熱いまなざしで彼を見上げる。

「あなただけ…」




激しくはない
穏やかな夜だった―――――







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(2006/2/15+22)
(2015/04/06)

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