Unlimited -1- 少年が少女の処女を奪ってから、逆にふたりは素直にお互いを求め合うようになった。 学院の図書館がふたりのデートの場なのは変わらない。 今までとあまり変わらないように見えて、確実に新密度は上がっていく。 ふたりとも部活のない日。 最初は1階でふたり並んで課題に取り組んでいたが 少年が筆談で切り出す。 "特別閲覧室の許可を貰ってる。 行かないか?" 少女は目にすると少し驚くがすぐに返事を書き出す。 "Yes." ふたりは机の上を片付け、4階にある特別閲覧室へと。 中に入って鍵を掛けると、外に音は漏れない。 図書館近くに芸術棟があるということと、 PCでの音楽鑑賞などが出来るようになっているために 最低限度の防音設備が取られている部屋。 「…ファリア…」 少年はそっと抱きしめくちづける。 「んッ…」 くちづけに酔いながら彼に身を任せる少女。 少年の手が背を上下にさすり、スカートの上からヒップを撫でる。 「んんッ…」 頬が熱くなっていくのを感じている。 「可愛いな…今日も…」 「そう…?」 少年の手が少女のネクタイを緩め、シャツのボタンを外していく。 抵抗もしないで、彼のなすがままにしている。 恥ずかしくて、ただ顔を背けているだけ。 今日のブラは淡いピンクのレース地に白いバラがモチーフで飾られていた。 「でも…もっと、可愛いところ、見せて…」 背中のホックを外されるとまろび出る形のいい乳房。 まだ少女らしさの残る大きすぎないふくらみ。 可憐なピンクの尖りを指で挟んで全体を揉み上げる。 「ぁ…ん…」 それだけでぞくぞくと背筋に甘い電流が走って行き、 華奢な脚がぶるぶると震える。 少年のくちびるが耳元に囁く。 「ファリア…もっと…していい?」 「えッ!? な、何を…?」 頬を真っ赤に染めた少女が少年に問いかけると 少し好奇心を帯びたエメラルドの瞳が覗く。 「もっと…いっぱい触っていい?」 「ぁ…」 頬から炎が出るくらい恥ずかしいと思うが 彼が望むならと小さくうなずく。 少年の手はそっと少女を部屋の中央に置かれている大きな机にゆっくりと横たえる。 「ちょっと…背、痛いか…?」 「ううん…そんなこと…」 上目遣いで少年を見上げると、優しさが見えた気がした。 少年は自分の上着を脱ぐ。 「ちょっと起きて。」 「ん。」 机に自分の上着を広げて置き、その上に横たえさせる。 少女は嬉しげな笑顔を見せた。 「リチャードの匂いがする…」 「そうか?」 「なんか…嬉しい…」 「何で?」 「抱きしめられてるみたい…」 少年もその言葉で笑顔を見せる。 「本当に抱きしめてあげる。」 「あ…えぇ…」 頬を染める少女に折り重なるように顔を近づける。 「ファリア…好きだよ…」 「私も…好き…」 鼻先が触れ合う位の距離でふたりは見つめ合っていた。 ちゅちゅっと可愛いくちづけを繰り返すうちに段々、深いくちづけに変わっていく。 「んッ…」 少女の脚がもじもじとヒザをこすり合わせる。 少年は構わずに肌蹴た白い胸にキスを落としていく。 「あぁん…」 時折、吸いたてられ舐められると身悶える。 頬は紅潮し、指先は少年の金の髪を乱していく。 それは彼の男性までも刺激していた。 「あぁ…ぁ…ファリア…ぁ…」 少年は熱く燃える身体を感じて、ネクタイを外し、シャツのボタンも外す。 ふたりはお互いの甘い熱を激しく求め合う。 しかし… 最後までは至らない。 少年の手と指で少女は絶頂へと導かれていく――― *** ―週末 少女は久々にローレン城に戻っていた。 少年もランスロット城に帰り、愛馬キング号に跨って彼女に会いに行く。 この週末は彼女の家族は誰もいない。 両親は仕事、祖父母も用があってロンドンの邸。 弟もアーチェリーの試合の為に不在。 少女の部屋の居間でふたりだけでお茶を楽しんでいた。 不意に手が触れると見つめあい、どちらからともなくくちびるを重ねる。 「ん…」 長く深いキスでお互い くらくらしていた。 少年の手は少女を抱きしめている。 「…リチャード…」 甘い色香を放つサファイアの瞳が少年の男心をくすぐる。 そっとやわらかなふくらみに触れられると、 頬をピンクに染めながら腕を回していく。 「…ファリア…」 ソファの上でふたりはお互いの想いを感じていた。 そっと少年は耳元に囁く。 「…抱いていい?」 「わざわざ聞かないで…」 少年は少女をソファから軽々と抱き上げ、隣の少女のベッドルームへと。 天蓋つきのベッドは淡いピンクのシーツ。 その上にそっと下ろし、再び浅く深くくちづける。 「好きだよ…」 「私も…好き…」 相手の甘く熱い吐息がお互いを溶かしていく。 「あぁ…ん…リ、チャード…」 初めてのあの日を後悔しているからこそ、 今は愛情を込めて愛撫を重ねる。 そっと彼女の服を奪っていく、彼の手。 少女は早く抱いて欲しくて、彼のシャツのボタンを外していく。 肌蹴ると精悍な白い胸板。 細い指先が撫でると甘い溜息が彼のくちびるから零れ落ちる。 「ぁあ… ファリア…」 少年の手は彼女の手を掴む。 少女のスカートを奪い、下着姿にさせる。 「や…ん…」 「…かわいい♪ ファリア。」 ひょっとしたらこんなことになるかもしれないと思って 自分のお気に入りの可愛いレースをあしらったものを身に着けていた。 まだ明るい日差しの中、少年は悪戯っぽい目で見つめる。 可憐なショーツはすでに熱い蜜で張り付いていた。 「もう…そんなに感じてくれていたの?」 少年の指先が優しく触れただけで水音までもが可憐に聞こえる。 恥ずかしくて顔を背けている姿がなお愛しさを増す。 初めて処女を彼に奪われてから、 何度か学校で彼に求められるまま肌を許した。 でもいつも最後まで抱いてもらえなかった。 それだけに 今、この瞬間が嬉しいと感じている― 少年の優しい愛撫を受けて身も心も融けていく。 リチャードのことしか考えられない… 少年も少女の甘い喘ぎと吐息で理性が弾け飛んでいく― 「ぁ…あぁ… リチャ…ードぉ…」 ずっと求めていた彼の肌と熱さ。 全てが恋しくて愛しくて身悶えていた。 「あぁ…ファリア…奇麗だよ…」 少年の手は密かに忍ばせていた小さなアルミ袋を破る。 「愛してるよ……」 「私も…よ。来…て…」 「あぁ…」 羞恥心より何より愛しくてたまらない。 ふたりが甘い悲鳴を上げて融けあっていく――― お茶のおかわりをと思い、 城のメイド頭のベアトリス夫人が少女の部屋の居間に入ると ふたりの姿がない。 そして気づく… 隣のベッドルームから…少女の甘い叫び声。 「あぁ…ッ!! リチャードッ!!」 驚いて部屋を出るベアトリス夫人。 ふたりの仲の良さは知っていたが、 まさかここまで進展しているとは思いもしなかった。 廊下で佇み、途方にくれていると 今日は戻るはずのない当主・アーサーが歩いてくるのが見える。 「あ…旦那様…」 「や。ベアトリス夫人。 こっちに戻ってこれることになったんだ。 ファリア…部屋にいるんだろう? あの子のところにリチャード君が来ているそうじゃないか。 ちょっと挨拶してくるよ♪」 久々に娘に会えるので上機嫌のアーサーは 何も思わずに娘の部屋に入っていく。 しかし ふたりの姿はない。 話し声が隣のベッドルームから聞こえた。 まさかと思い、ノックもせずにドアを開けた父の目に飛び込んできたのは ベッドの上でキスを交わすふたりの姿。 「!? お前達!!」 父の叫び声にふたりが気づく。 「お父様…!?」 「!! おじさん…」 一瞬でふたりがどんな仲なのか理解した。 呆然と立ち尽くす。 追いかけてきたベアトリス夫人までも… 「どうして…お父様…?! 今日は戻られないんじゃ…」 娘の言葉で我に返る。 そんなアーサーに少年は告げる。 「…僕が悪いんです。僕が。すべて…」 「リチャードは悪くない!! …悪いことなんてしてない!!」 「いや…僕があの日…あの日から…」 「いいえ。あなたのせいじゃない… 」 ベッドの上のふたりはお互いを庇いあう。 ふたりを見ていたアーサーは頭ごなしに怒る気も失せたが険しい顔。 「…とにかく、二人とも服を着なさい。」 アーサーは踵を返してベッドルームから出る。 隣の居間で親友エドワードに電話を入れた。 「すまんが…すぐローレン城にリチャード君を迎えに来てやってくれんか?」 「は?」 「…君に相談しなかればならない問題が発生した。」 親友のただならぬ声に静かに応える。 「…解った。」 ふたりが服を身につけ、居間に姿を現す。 「…座りなさい。」 「「…はい。」」 これからどうなるのかわからない不安で少女は少年に抱きついていた。 40分ほどして少年の父・エドワード=ランスロット公爵がやってくる。 部屋に入った途端、異様な雰囲気で驚く。 少女も自分の息子も涙目でソファに寄り添い座っていた。 その向かいに険しい顔の親友が腕を組んで座っている。 ただならぬ空気に声を上げるエドワード。 「!? 一体、何があった?! アーサー…」 溜息をついた少女の父は、少年の父親である親友に告げた。 「…このふたりが… ベッドの上にいた。 それ以上は言わなくても…解るだろう?」 耳にした途端、父は息子の前に立ち、一発殴ろうと手を振り上げた。 寸前、少女が立ち上がりそれを阻む。 「!? …ファリア。」 「止めて!! おじ様!! リチャードは何も悪いことなんてしてない!!」 「いいんだ。父上に殴られてもひっぱたかれても… 当然のことなんだ。」 「いいえ…いいえ…」 ぼろぼろと泣き出す少女を見て、エドワードは拳を下げた。 エドワードは少女の父を溜息をついて振り返る。 「アーサー…君はどうすべきだと思うね?」 「あぁ…今考えてる。君は?」 エドワードは息子を振り返り問いかける。 「リチャード…どういうつもりで…この娘を…?」 「僕は彼女を愛したいだけです!!」 父と息子の顔を見てアーサーも娘に問いかけた。 「…お前もか?」 「はい。リチャードを愛してる…だから…」 「そうか…。 こういう場合、普通は許婚以外の異性と出来てしまって… 親が引き裂くと言うのがパターンだが…相手はリチャード君。 未来の結婚相手といのが不幸中の幸いだな。」 「お父様…」 「不幸とはちょっと違う気もするがな。 お前はまだ16歳になって2ヶ月も経ってない。 …早すぎる。」 アーサーの言葉にエドワードも同意する。 「あぁ。確かに。 リチャード、お前も若すぎる。」 「「…。」」 ふたりは押し黙ってしまう。 「どうするべきか…?」 ふたりの父親が思案している中、少女の母セーラがやってくる。 「何か…問題が起きたそうね。…どうしたの?」 部屋の空気に美しい母の顔には困惑の色が浮かぶ。 目を真っ赤にした娘は許婚の少年の腕の中に抱きしめられていた。 「お母様…」 「何があったの…ファリア? 言ってちょうだい。」 「私…私…」 ボロボロと泣き出し、言葉にならない。 「リチャード君と…ベッドの上にいたと言えば解るだろう…セーラ…」 「!? 何ですって!? ファリア…あなた… 妊娠してないでしょうね?」 娘の視線に屈みこみ、問いかける。 「「あ。」」 父親ふたりは思わず叫ぶが本人達はそうでもなかった。 「…リチャード君は…避妊してくれてたの?」 こくりとうなずく娘に安堵する母は頭を撫でる。 「…なら、仕方ないわ。 このふたり、ずっと幼い頃から、好き合っているのですもの。」 母の言葉に娘は彼から離れ、 思わず母に抱きつく。 娘の頭を撫でる母は優しいサファイアの瞳を向ける。 「恋ってそういうものよ…ファリア。」 「…お母様…」 「しかしだな、セーラ。 パーシヴァル家の娘が結婚前に…」 「あら、そんな時代錯誤な…。 元王女の私ですけどね、娘のこと、偉そうに言えないわ。」 「う…」 アーサーは返事に詰まる。 確かに自分も婚前交渉は持った。 「しかしふたりとも若すぎる。」 「確かにそうだけど…」 夫婦が問答をしているとエドワードが息子に告げる。 「リチャード…お前、大学に行きなさい。 前々から大学側から打診はあった。コレを機に…」 「え?」 「少なくとも学校が離れれば、逢えなくなれば 冷静になれるだろう。」 「……父上。 解り、ました…」 両家の父親に怒られるのは当然だと感じ、 言葉に詰まりながらも返答した。 その言葉にファリアはショックを覚える。 「リチャード、そんな…」 「今は辛いだろうけど… 僕が早く大学を出れば、それだけ早く君を迎えに行ける。 早く結婚できるよ。」 「でも…」 ためらい悲しむ彼女を見て彼も辛い。 はぁとため息をついて少女の父は告げた。 「ファリア。お前は…ウィーンに行きなさい。」 「えっ!?」 父の言葉に目が大きく開く。 「リチャード君と距離をとれば、それだけ…」 「イヤ!! 嫌よ!! 英国を出ればリチャードに逢えない!!」 「だからだよ。 ロンドンとオックスフォードじゃ、隠れて逢える。」 「そんな…」 「当分、お互いの城も邸も出入り禁止だ。いいな。」 父の無慈悲な言葉にショックで泣き出す。 「お父様…ひどい…」 「アーサー、そこまで厳しくするかね?」 エドワードもそこまで考えなかった。 半ば憤慨した口調の答えが返ってくる。 「…当たり前だ!! まだ16になって間もないような娘が もう男を知っていると言うことが私にとってどれだけショックか解るか?」 「「あ…」」 セーラもエドワードもその心中を察してしまう。 少女は少年に抱きつく。 「嫌!! 嫌よ!! リチャードと離れるなんて嫌!!」 「ファリア…冷静になれ。 婚約破棄するわけではない。 いずれはリチャード君の所に嫁ぐことになる。 今は辛いかもしれんが…」 悲痛な顔をして父が告げると反抗的な言葉が出た。 「そんなの…お父様の勝手でしょ!!」 「ファリアッ!!」 父はカッとなり思わず怒鳴ると娘は萎縮する。 そんな夫に妻が諌めた。 「あなた…冷静になって下さいな。 …確かに…リチャード君のことを愛してるなら今は耐えなさい。 お父様の言い分も当然だわ。 彼を愛してはいけないということではないの。 ただ今は… そういう関係になるには少し早かったということ。 それに…女のほうがリスクがあるの… 昔、説明したでしょ?」 初めて女の子の日を迎えた時、 母が色々と説明してくれたことを思い出すと、うなずいてみせた。 「じゃ…解ったわね。 しばらくウィーンで音楽に打ち込みなさい…」 「は…い…」 怒鳴る父と違い冷静な母の言葉に従う。 何とか話は決まった。 険しい表情のエドワードが息子に告げる。 離れがたい様子だが、仕方ない。 「リチャード、帰るぞ。」 「…はい。父上。」 母の腕の中で泣いていた少女は廊下まで出て行ってしまった少年を呼び止める。 「待って!!」 「…ファリア…」 呼びとめた声に気づき、振りかえると少女が胸に飛び込んできた。 「お願い…最後に…キスして…」 「あぁ…」 ふたりは親の前で抱き合い、そっとくちづけを交わす。 「必ず迎えに行く…待ってて…」 「えぇ…待ってる。待ってるわ。リチャード…」 「ごめん、ファリア…」 彼は名残惜しそうに父親と共に帰っていく。 次にいつ逢えるのか解らない。 廊下の床にへたり込み、嗚咽を上げながら涙する姿を見て 両親は娘がどれだけ少年を愛しているのか理解した。 * ―翌日 二人の姿が学院から消えた… 色々な噂が飛び交う中、リズとエリックが話す。 「ファリアはウィーン音楽院に、リチャード君はオックスフォードの大学に… 駆け落ちなんてとんでもない…」 噂はしばらくすると流れなくなっていく… to -2- ________________________________________ (2005/10/19) (2015/04/21 加筆改稿) to Love Sick Menu |