Sympathy  -6-




―明け方
部屋に戻ったファリア。
弟は爆睡していた。
一日で色々なことがありすぎた…弟にとっても。



思わず溜息が出る。

「はぁ…」

目まぐるしい24時間を過ごしていた為か一気に疲れから
ベッドに横になると睡魔に襲われる。



姉弟は朝8時を過ぎても起きてこなかった。




10時を過ぎても姿を見せない姉弟を心配して
リチャードとマリアンがホテルに頼んで部屋に入れてもらうと…
二人して熟睡していた。



「一日で色々ありすぎて…疲れているのよ、きっと。」

「そうだな…」

リチャードは彼女に少々申し訳なく思う。
睡眠時間を削ったのは自分なのだからと自覚していた。


幸せそうな顔をして眠る二人。
やっと地獄の生活から解放された安心から…昏々と眠っていた。


「リチャード、どうする?私たち…午後1時には出発よ。」

あと2時間半ほど。


「ちょっと可哀相な気もするけど…彼女だけでも起こすか…」

「どうするの?」

マリアンはリチャードの顔を覗き込む。
そんなマリアンに構わず彼女の唇にキスする。
その光景を見て驚き照れる。



「……ん……?」

ゆっくりと瞼が開き、サファイアの瞳が彼を見上げる。

「や、おはよ。」

「…リチャード?」

まだ気だるげな彼女に声を掛ける。

「ごめん。起こして。
…僕達、あと2時間ほどで出発なんだ。」

「…あ!!」

彼の言葉を聞いて飛び起きる。
そして少女の存在に気づく。
思わず照れる乙女。

「せめて、君に…ちゃん挨拶しておきたくて…」

「…えぇ。」

マリアンは二人の間の空気が変わっていることに気づく。



「しばらく…ここにいていいか?」

「え…はい。」

「じゃ、私 行くわね。ファリアさん、また会う日まで…」

「えぇ。…行ってらっしゃいい。気をつけて…」

「ありがとう、それじゃ。  またお買い物に行きましょ♪」

笑顔を残して、少女は部屋を出て行く。



「僕も…あと1時間くらいしかいられない。すまない。」

「いいの。私のほうこそ…ありがとう。
見つけてくれて、助けてくれて…。それに…愛してくれて…」

薄いキャミソールナイティの肩を抱きしめる。
涙が溢れる彼女の瞳を見つめた。

「僕が…君に逢いたかった。
そして確かめたかった。君の気持ちを、僕の想いを…」

「…リチャード…。 私、待っているわ。
あなたが英国に帰ってくることを。」

そっと彼の頬に唇を寄せる。

「あぁ。」





不意に視線を感じた二人。
アリステアが目覚めていた。

どうしようかと少年は固まっていた。


「…アリステア…起きてたの?」

「さっきね…」

少し赤面している姉達にバツが悪そうな顔を見せていた。



「アリステア。…今度は君が彼女を守って地球に帰るんだ。いいね?」

彼は真剣なまなざしを少年に向ける。
身を起こし、彼にはっきりと告げた。

「…はい、リチャードさん。」

「頼んだよ。君の姉さまは僕にとっても大切な女性だ。」

こくりとうなずくアリステア。
彼はちらりと時計を見る。

「すまない…二人とも。もう、そろそろ…行かないと。」

ドアに向かって行く彼を呼び止める。

「リチャード…、待って。」

彼に抱きつき、唇を重ねた。
アリステアはその光景を嬉しく感じていた。

「御武運を…。気をつけて、無茶しないで…」

「あぁ、君のためにも…」


静かにドアを開けて去っていく。
後ろ髪を引かれる想いを感じていたリチャード。




二人はすぐに身支度をして、隣の基地へと向かう。

彼と仲間がマシンに乗り込んで行くのを見つめていた。

しばらくしてエンジンが唸り、あっという間に火星を飛び立って行く。

彼らは未だ行方不明となっているマリアンの父・ルヴェール博士を探して宇宙へと飛び立つ―――







END
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(2005/5/29)


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To Love Sick