Too full with love -9- 〜epilogue〜




―1年後


リチャード王子夫妻の間に男の子が誕生した。

金の髪にサファイアの瞳の赤ん坊。


美しい赤ん坊にみな、微笑みかける。


そしてなにより王子誕生に国中が祝賀ムードで盛り上がっていた。




幸せに満たされているふたりのところにマリアンが訪れる。
レオン国の皇太子妃は…7ヶ月目であった。



「まぁ…かわいい♪ お姉さまとリチャード様そっくりね。」

「ふふ…」


甥である赤ん坊は立派なベビーベッドの中ですやすやと眠っている。
まだ生後1週間しか経たない小さな赤ん坊…


「マリアンも随分大きくなったわね。」

「えぇ…予定日まであと3ヶ月…」


姉妹が微笑みあう中、子供部屋に王子リチャードがやってくる。


「や。よく来たね…その身重の身体で。」

「えぇ…だって、姉さまとリチャード様の赤ちゃんを早く見たかったんだもの。」

「慌てて来なくても、もう少ししたら君も赤ちゃん見れるじゃないか。」


「でも…また違うもの…」

「そういうものかい?」

「そういうものです。」


ファリアはそんな二人のやり取りを聞いて噴出す。
思わずリチャードもマリアンも笑い出す。

子供部屋に3人の笑い声が響く。



「明後日に進児君が迎えに来てくれるのでしょう?」

「そうよ。進児君も見たがってたもの。」

「身重なのにアクティブな皇太子妃で大変ね…進児君も。」

「はは…そうだね…」

リチャードも同じように感じていた。



「もう…お姉さまったら…あ?!」

「どうしたの?」


「ここ…この子、蹴ったの…」

「え? あぁ…」

触れるととん。と蹴る感覚。




ふたりの人魚姫の恋はやわらかな陽の光の中で優しさに包まれていた…






End


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(2005/9/14)


*あとがき*
やっと最終章まで描けました☆
ちょっと長編になってしまって自分でもびっくり。
しかも、ビルとジョーンも登場する続編の下書きを書き始めました〜。

どうなるんだろ…???

それにしてもコレ…
けっこうみんなキャストにはまりすぎて笑えます。
王子・進児って…字面みたら変な気がしますが
彼の性格からして似合ってませんか??

熱血漢で曲がった事が大嫌いな純情王子様…
リチャードはそのまますぎる…??

問題は次作(?)のビル王子…


実は一番のはまり役だと思っているのがルヴェール博士のポセイドン…(笑)






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