スイハンキ








ビスマルクチームのメンバーがそろってしばらく経ったころ…



食事当番の順番も決まった、ある日のこと。



日替わりで各国のメニューが出てくるのでそれぞれが食事を楽しみにしていた。



その日は…進児が当番。



ダイニングにリチャードとマリアンがくるともうもうと湯気が上がっている。


「なに、これ?」

マリアンは見慣れぬ器械からあがっている湯気を指す。

「僕も知らないな…」

知識の宝庫のリチャードもその器械が何をしているのかわからなかった。



不思議に思っている二人のところへビルもやって来た。



「あ〜腹減った〜、進児、めしまだ?」

キッチンの奥から進児がひょこっと顔を出す。

「ああ、もう少し待ってくれ。」


「ねぇ、進児くん、これなに?」


マリアンは率直に質問する。

もうもうと湯気を上げるその器械を指す。


「あぁ、これ?炊飯器だよ」


「スイハンキ?何するものなの?」


「これで米を炊いてごはんにするんだよ。」


「米〜?」

3人は同時に声を上げる。

「俺、カリフォルニア巻きしか食ったことないぜ?」

「あたし、お米って…パエリアぐらいしか…」

「僕もスシくらいしか食べたことはないな…」


それぞれに思ったことを口にする。


「まあ、一度食えばわかるって!」

進児がニコニコと笑顔で3人にすすめる。





そして典型的な和食完成。

白ごはんとお味噌汁、焼き魚にお漬物。

初めて見るメニューに3人は戸惑いがち。

進児はひとり、満面の笑みで箸を持つ。


「いたただきま〜す!」


さすがに3人にはフォークとナイフが置かれていたが食べにくそうだったのはいうまでもあるまい…







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あとがき(2004/9/5)

唐突に和食出されたらどうするんだと思ったネタから。

食器洗いが当番制だったんだから食事当番も多分…

ビルの場合、やっぱりメインはステーキとかなんだろうか??




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