precious day
ビルマルクチームが結成されて1ヶ月が過ぎた…
進児、ビル、リチャード、マリアンの4人の友情と信頼は日に日に深まっていった。
そんなある日、ビルの突然のヒトコト。
「そーいやみんな、誕生日いつ?」
「へ?」
「あぁ。」
「そういやそうね。」
3人はそれぞれに反応。
「なぁ、お前さんたち何時なんだ? ちなみに俺は2月26日なんだけど?」
「俺は5月4日だぜ。来年には18な。」
「僕は1月30日。 …19だな。」
「マリアンは?」
ビルが突っ込む。
「レディにトシを聞くものではなくてよ… なんちゃってv
8月1日よ。」
「てぇことは、一番手はリチャードか…」
「そのようだね。」
「年も一番上なら誕生日も一番手かよ!」
「…偶然だろう。」
「ま、そういうことだな。」
進児とリチャードはあっさりとした反応しか返さなかった。
そして年が明けて2085年。
テンガロ村でジョーン先生に出会った後、リチャードの誕生日が間近に迫っていた。
コクピットのレフトコンソールで調べ物をしているリチャード以外の3人がダイニングに集まっていた。
「おい、どーするよ? ヤツの誕生日。」
ビルが進児とマリアンに言う。
「そーだよな。プレゼントって…何にする?」
「リチャードの好きなものって…紅茶?」
マリアンが首をかしげて二人に聞く。
「それが一番無難かな?」
「ヘタなもん渡すのもなんだしな。」
「そーそー。それとケーキねv」
「マリアン、ヒトの誕生日だってのに嬉しそうだな。」
「だってぇ…」
ばつが悪そうに上目遣いで進児を見つめるマリアン。
「まぁ、祝い事なんだし、いいじゃないか。」
進児が視線をそらして言う。
「そりゃそうだ。」
「じゃ、、次の町でリチャードに内緒でお買い物ね♪」
「んじゃま、マリアンに任せますか?」
ビルは進児に問いかけた。
「そうだな。」
「進児君!お買い物付き合ってよぉ〜」
「えぇーっ!」
「ひとりだと荷物が多いもん!!普段の買出しより多いんだから!」
「わかった、わかった!」
1月30日当日
任務のためにお祝いするどころではなかった。
翌31日
朝、リチャードが起きると3段ベッドの下2段の二人がいないことに気付く。
珍しいこともあるもんだと思いながらダイニングへと向かう。
ダイニングのドアを開けた途端、パパーンとクラッカーの音。
「一日遅れたけど…誕生日おめでとう、リチャード!」
笑顔の3人が彼を迎える。
「みんな…」
「これ、私達から!」
マリアンが代表で綺麗にラッピングされた箱を渡す。
「え! みんなからなの?」
「開けてみてよ。」
「あぁ。」
リチャードが丁寧に包みを取ると中身はいろんな茶葉の紅茶の詰め合わせだった。
思いがけないプレゼントにリチャードは心から礼を言う。
ここのキッチンには最初、紅茶がなかった。
だから彼は買出しの度に紅茶缶を買っていた。
「ありがとう、進児、ビル、マリアン。
今日から早速 飲ませてもらうよ。」
テーブルに置かれた大きなバースディケーキを見て彼は言う。
「それじゃいきますか!」
ビルが景気良くはりきる。
「せーの!
Happy Birthday to you〜♪ Happy Birthday
to you〜♪
Happy Birthday Dear Richard〜♪
Happy Birth day to you!」
3人からの拍手でリチャードは久々に人の優しさに触れた気がした。
「ありがとう…みんな。 そしてこれからもよろしく!」
リチャードがそう言った直後、緊急通信が入った。
4人はブリッジへと駆け出す。
彼らの安息の日はしばらくなかった…。
END
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(2005/1/29)
1月30日の彼のためのバースディ小説。
本放送時の頃の時間軸で考えてみました。
ビルがジョーン先生のテンガロ村に行ったのが1月27日だとすると〜
って感じです。
本放送時の日付の100年後〔?〕と考えています。
だからビスマルクチームが結成されたのは10月頭。
ちなみにマリアンは設定されてませんので勝手に設定しました〜。
なんか獅子座のイメージがあるんだよね。もしくは牡羊座かな?
それにしても彼…一番年上&長身なのに誕生日も最初じゃ〜(ビルが言及してますな)
でも進児とビルもまだまだ成長期だし身長伸びるんじゃ…
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