キ・セ・キ
あの夏に君を失ってから僕には変なクセがついた
ロンドンの街中を車で移動中に学校の先輩に指摘された
車窓の向こうの人ごみをじっと見つめて誰かを探していたと言う
無意識に君を探してた…
宇宙でいなくなったと理解していたはずなのに
自分の滑稽さに苦笑いするしかなかった
そのクセを自覚しながら今も君を探してる
あれから季節は巡り、6年と言う歳月が流れた
もう僕は19歳になった
君がそばにいれば18歳になっている
けれど記憶の中の君は12歳のまま―
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今、僕は地球連邦のルヴェール博士の結成したビスマルクチームに所属し、
ガニメデ星や火星で侵略者デスキュラと戦っている
時折、ガニメデ・セントラルシティや火星・マルスシティの人ごみで
やっぱり君を探している自分に気付く
黒髪の同じ年頃の女性を…
そして出会う女性の面影の中にいつも君を探している僕がいる
まだ愛してるとこんな時に思い知らされる
ビスマルクの仲間とホテルに宿泊すると時々個室で一人
ベッドに横になると不意に君の面影が胸をよぎる
―君の無邪気な瞳が僕を見つめて微笑んで立っていた…
「…僕は弱くない。強くなる。」
幼い頃、君に誓ったあの言葉が今の僕を作った
だから今、僕はここにいる…
地球を、ガニメデ星を、仲間を…そして何処かにいる君を守りたくて戦っているんだ
今 目の前にいない君が僕に勇気をくれた
夢に現れる君の微笑みがチカラを与えてくれる…
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戻らないと解ってる12歳の君
でも今も君が僕に微笑みかけてくる
「何処にいるんだ!!」
不意に叫んだ僕
真っ白な世界の中心でまだ幼い彼女が黒髪をなびかせ淋しそうな笑顔を見せた
「…いつもあなたのそばにいるわ…」
「じゃ…まさか…君は…」
「いいえ、苦しくてもあなたのそばにいる…
だから忘れないで…」
手を伸ばすと指先が彼女に触れる
けれどするりとすり抜けてゆく
その名の由来のままに風の妖精になってしまったのかふわりと空に消えてゆく…
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「夢…か…?」
いつも見る夢
でもいつもより鮮やかな姿が焼きついてる
淋しそうな暗いサファイアの瞳が忘れられない―
僕の瞳から気つけば涙が溢れていた…
声も出さずに泣くこともいつの間にか覚えてしまった
もしまた出逢える瞬間が僕達にあるのなら
今度はきっと君を守り抜いてみせる…
その奇跡を探しに行くから待っていて…
Fin
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(2005/5/8)
〜あとがき〜
唐突に昨晩に浮かんだネタ。
というか…タキツバのアルバムを聞き流していてミョーに
単語に引っかかるものがあって歌詞カードを見たら
リチファのお話のキーワードが多いことに気付き
ふっとそれをネタに脳内を刺激したら出てきた彼の独白(笑)
だから小説としては成り立っていないと思う作者として(泣)
時間的に再会の1,2ヶ月前ってところかな〜
タイトルはそのまんま拝借(マズイ?)
でもマジでハマる!(ワタシ的に!!)
(2005/5/20 改稿)
Bismark Novel Top
さすがに歌詞全文は載せられないので抜粋(笑)
(ちなみにアルバム:Hatachiより)
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めぐりめぐる軌跡が
ヒカル君の涙が
目に映らない
勇気(チカラ)をくれた
だからここにいる
君と僕の永遠が
伝えている何かが
すべてをイキルシルシに変えて
今も胸に輝いてる
また出逢える奇跡が
もしぼくらにあるなら
今度はきっと きっと必ず
君を守り抜いてみせる
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