high melody
貧乏旅行が板につきつつあるJJ9チーム。
その日、カジノでブルースの活躍により、久々に豪華な夕食にありつけた。
「ブルース、さまさまだよなぁ〜☆うめぇ!!」
ロックはわき目も振らずにがっつく。
「ちょっと…落ち着いて食べなさいよ〜。」
むせてしまったロックの背をさすり、水を飲ませるのはバーディ。
ビートもジミーもここぞとばかり上等な肉類を口に運ぶ。
当のブルースは食べるというより飲む方に重点を置いていた。
バーディとスージーは男性陣ほど焦って食べることもなく、
高級食材の料理を味わう。
約2時間のディナータイムが過ぎた頃には
ロック、ビート、ジミーのお腹ははちきれんばかりにパンパン。
「あんたたち…太るわよ。」
「そうよ〜太ったジミーなんてイヤよ!!」
乙女二人の言葉が矢印となって刺さっていた。
「そ、そんなぁ〜。」
情けない声を出すジミーの横でロックはひらめいた言葉を口にする。
「じゃ、カラオケにでも行くか? カロリー消費しに。」
「行こう行こう! 俺ちゃんも腹、ちょっと苦しいし。」
ビートもジミーも賛同する。
「じゃあ、みんなで行こうぜ!」
「「「「おう!!」」」」
ホテルのカラオケルームに6人は向かう…
いろんな時代、いろんな国の曲を網羅したカラオケマシンが主流となっているこの時代―
早速、6人入れる部屋が取れた。
「じゃ、いいだしっぺの俺から行くぜ!!」
速攻、曲を入れれ、熱唱しだすロック。
選曲は…「銀河旋風ブライガー」
"J9 J9 情け無用〜♪"
いきなりノリノリになるメンバー。
"Yeah!! "
曲が終わるとビートがここぞとばかりに選んだ曲。
「銀河烈風バクシンがー」
前口上から始めるビート。
"J9って知ってるかい?昔、粋に暴れまわってたっていうぜ〜"
あまりのハイテンションにバーディ、スージー、ブルースは引いてしまう。
3人は…ノリまくっていた。
「スージー。俺達も歌おうよ〜。」
「う、うん、何にする?」
ジミーとスージーが悩んでいると、バーディがマイクを持ち出す。
「やっぱ、コレでしょ?!」
母・ダイアン=ハーシー主演映画の主題歌ー (イメージは「マイソウル・ジャーニー」)
しっとりと歌いきる。
曲が終わると叫ぶロック。
「こら〜せっかくのノリを下げちまうなよ!」
「あらん。」
そんなふたりのやり取りをよそにビートはブルースにも勧める。
「な、ブルースも歌わないか?」
「いや…私は…」
「何言ってんの? うちらのリーダーは?」
「あまり…歌える曲もないのでな…」
「音楽好きじゃなかったけ?」
「好きだが…弾くのが得意でな。歌は…あまり。聴く方が…」
「へ〜…」
そうこうしている内にジミーたちが歌いだす。
大昔(何百年前という突っ込みはご容赦を。)に流行ったという「てんとう虫のサンバ」
"あなたと私が〜夢の国〜♪"
熱々なふたりにあてられる4人―
歌うのを避けたくて、酒を飲み続けるブルースがいた。
何曲か5人が歌ったアト、ロックの選曲「恋のマイ●ヒ」
「飲も、飲も Yeah!」
気づけばブルースも踊り出す…
目の据わったブルースはロックからマイクを奪い、知らない曲までも歌いだす。
誰が入れたのか…歌いだしたのは「薔薇の戦士」(From パタリロ!)
"妖しい〜 マリネラの月が〜♪"
それからブルースは睡魔に襲われるまでの約2時間。
歌いっぱなし―
部屋を出よようとすると、目が完全に据わったブルースにマイク越しに止められる。
「あ〜、こらこら。何処に行くんだ?せっかく私が歌っているのに…?」
結局、一番歌ったのはブルース。
一度マイクを握ったら離さない。
ロックやビートが自分が歌おうと曲を入れても、離さない。
仕方なく、もう1本のマイクで男ふたりで歌う羽目に…
ふだんの鬱憤が溜まってるのだろうかと5人は思ってしまう。
ブルースが突然倒れるように眠り出すと、5人の口から溜息。
「うちらのリーダー…疲れてるのかな?」
「かもねぇ〜」
「コレで落ち着いて歌えるなぁ〜♪」
やっと5人が歌おうとするが…壁のフォンが鳴り、バーディが取る。。
「はい?」
「あと10分で終りです。」
「すみません、1時間延長します。」
「申し訳ありません。予約が詰まっておりまして…」
「あら、そうなんですか…残念。」
電話を切ったバーディが4人に告げる。
「もう10分で終りだってさ。」
「はぁ〜?」
「しょーがねぇなぁ…」
仕方なく5人は出ることにした。
眠ってしまったブルースをロックとビートが両脇から抱えて歩く。
***
―J9ランド・ブラディの部屋
ブラディ=ゴッドは熱唱していた。
何処をどうしてなのか…ド演歌。
こぶしを利かせ、部下数十人を前に歌う…
"あなたぁ〜こいしぃ〜きぃたぁのやど〜♪"
ヘタなのにヘタと言えない不幸な部下達の姿は涙を誘うものがあった―
***
―翌朝
ブルースが目覚めるとノドがいがらっぽい。
「ん…なんだ…?」
みんなのいる大リビングに行くと、一同がジト目で出迎える。
「どうした? みんな?」
椅子に腰掛けるブルースにバーディが呟く。
「ブルースって意外なタイプだったのねぇ…」
「何のことだ?」
「あら? 昨夜のこと、覚えてないの?」
「だから何のことだ?」
嘘ではない様子にロックが言う。
「あんなに散々、歌いまくっていたから…声がおかしいんじゃねぇか。」
「は? …そうなのか? 覚えがないが…?」
「マジかよ。」
ビートが目を丸くしていた。
「でも、その声が証拠よ。」
「そのようだ… 久々に記憶が吹っ飛ぶほど飲んでしまったのか…?」
スージーがキッチンからグラスにミネラルウォーターを注いで持ってくる。
「はい。ブルースさん。」
「あぁ。すまん。スージー。
二日酔いはしてないのになぁ…」
ごくごくとグラスの水を飲み干していく。
「な、ブルース、カラオケ好きか?」
真面目な顔でロックに問われる。
「あまり…」
なのに昨夜のブルースの暴走っぷり。
これからは彼を誘ってカラオケに行くまいと5人は思っていた―
Fin
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(2005/10/30)
*あとがき*
平安朝美人様のカウンターニアピンのリク「カラオケするJJ9チーム」
ブルース氏(曽我部氏)が歌っていらっしゃるのは知ってましたが
私が知ってるのは「パタリロ!」のアルバムの「薔薇の戦士」のみ…
イメージしにくくてごめんなさいですm(_ _)m ぺこり
ベタな内容で済みませんでした☆
両脇から支えられるブルースの姿は「ブライガー」のアイザックさんが
カルナバルで酔いつぶれてしまって、抱えられてるのと被るわ〜☆
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