dream



目の前には愛しいファリア。

思わず抱きしめ、口づける。

かわいいその姿にうれしくなり、さらに続けていくと甘い喘ぎ声。

たまらない至福の時間。。。。。





ふと気づくと、ビスマルクマシンのいつもの3段ベッド。

下の段でビルと進児が眠っている。



「夢、か……」

夢でしか会うことのできない彼女。

思わず切ない溜息が出た。

――君は今頃、パリの空の下か…










******








ファリアも夢を見ていた。。。。





リチャードが見知らぬ女性と腕を組んで親しげにしている。

「リチャード!!」

声をかけられ、振り返る彼。

「その方、どなた?」

「あぁ、僕の恋人だよ。」

「私は?」

震える声で問いかける。

「もう君を愛せない、だから…」

ふいと彼はその女性と立ち去っていく。

「行かないで!! お願い!! あなたなしじゃダメなの!!」

号泣するファリアを置いて、彼はいなくなった。






――はっ!?

目が覚めたのは自分のベットの上。

目元には涙。

「私…」

手の甲で涙を拭う。


「嫌な夢…」

現実には起こって欲しくない夢。

ベッドから立ち上がり、カーテンを開けて空を見上げる。
星の見えない暗い空とパリの街並み。


100%ありえないことはないとさえ思う距離の遠さ。

地球とガニメデ星では遠すぎる。

彼女の不安が夢を見させていた。

自分で自分を抱きしめる。

再び、涙が溢れ出す。

「早く …早く、帰ってきて、私を抱きしめて…
不安を吹き飛ばしてほしいの…リチャード。」


昼間は感じないファリアの不安が噴出した夜だった。。。。。






_________________________
(2017/01/30)

一気に書いて、即Upです。
リチャード誕生日マイナス49年ですよ〜★

何気ない二人の対比。

ポジティブな彼とネガティブな彼女。
超遠距離恋愛は辛そうです。






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