clear head



地球を出ていくつものカジノを廻ってきた彼にとって
初めて屈辱を感じたゲームがあった。

その名も「Isaac」(アイザック)

カジノホールでルーレットをしたい気分だったが
ついJ9の始祖とも言える彼の名に惹かれて、ゲームマシンの前に座っていた。


コインを入れると画面に人物が現れた。

「私と対決したいと言うのは君か?
私はアイザック=ゴドノフ。
通称・かみそりアイザック。
闇のポリス・コズモレンジャーJ9のリーダーだ。
よろしく。

ところで君の名は?」


画面に現れた長い黒髪の青年に問われる。

「ブルース=カール=バーンステイン。」

「ほぉ、なかなかいい名だ。」

ブルースは画面の男の声が自分に似ているような気がした。。。
妙に親近感を覚える。


「それでは早速だが、始めようか。
問題は10問。
一問ごとに金額が設定されている。
勝ち越すごとに金額が増えるが、
負ければそこで終り。金額分、没収だ。
欲をかいて恥をかかぬようにな。」


にっと笑顔を見せる画面の青年に負けず嫌いのブルースの血がざわめいた。。。






「さて第1問。」

ごくりと生唾を飲み込むブルース。

「ブライガー第1話で集合した4人だが、
いつの間にか、ウルフのマークを全員つけていた。
これを付けたのは誰か?

@アイザック
Aお町
Bシン
Cメイ」

その質問に失笑してしまう。。

「普通に考えたら… Cメイだろう。」

手元のボタンを押すと
アイザックは「正解!!」

そんな調子でさくさくと問題を解いていくブルースがいた。





そして運命の10問目。。。

「ここまで来た君は素晴らしい!!
では最後の問題!!」

画面の中のアイザックはにやりと笑う。

「第10問。
ミーブの谷で有名なキョーラーク星。
さて もとは地球・日本の地名が元だそうだが
漢字で書くとどれになるか解るかな?

@享楽
A京洛
B競落
C狂楽」

もちろん、日本人の友人もいないブルースにとって
未知のもの。。

こうなればカンだけが頼りだと@を押してしまう。

画面の中のアイザックは…
言葉を溜めている。

「…残念!!」

「なにっ!?」

もちろん、確実に知っていたわけではない。
けれど、その返答に納得がいかない。

「正解は…A京洛だ。
@を選んだ君は快楽を追い求めているのかね?
それならばここではなく、目的を果たした方がいい。

それでは、すまないがカードを投入口に入れてくれたまえ。」

ブルースがマシンの下部にあるカード投入口にクレジットカードを入れると
1000ボウルを回収される。

「ありがとう。
この金は恵まれない子供達に寄付される。

See You Again!!」


それだけ告げると画面は切り替わり、
Isaacの文字が泳ぐ。





「もう一回だ!!」

意固地になったブルースは結局
5回プレイして、やっと勝てた。

2回目3回目4回目とも全部10問目でやられたのだった。

人工頭脳に負ける悔しさを味わったブルースは勝ち越したあと、
カジノホールへと向かい負けた4000ボウルを取り戻すため
ルーレットで稼ぎ出す。


それが…このカジノホールだけではない
J9ランドのオーナー・ブラディ=ゴッドとの対戦へともつれ込む。

まさかの展開に彼もそこまで読めなかった…





結果、J9V号に乗り込み、ロック、バーディ、ビートとともに
52惑星を廻ることに。

ここでも負けず嫌いの性格が現れていた。

ハタから観ればクールで理知的なブルースだが
結構熱いハートの持ち主。


彼の本当の笑顔は1年後に見れる。。。。。







Fin



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(2006/2/20)

*あとがき*

一気に脳内に来たので一気に書きました☆
ブルースって冷静沈着でクールに見えるけど
実はめっちゃ熱い正義漢。。。
ロックたちに負けず劣らず。。
同じことがJ9・アイザック氏にも言えますね。。

それにしても設定上20歳のアイザックさんと22歳くらいのブルース。
どっちかてーと、アイザックさんのほうが大人びて見えませんか?

●金額の単位が公式設定(?)だとボールですが私はボウルで統一しています●



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